親としては、子どもが毎日元気に過ごしてくれるのは何よりの願いだと思います。しかし、子どもはひんぱんに体調を崩しがち。新学期や季節の変わり目は注意が必要です。
特に鼻水や咳をはじめとした鼻・耳・のどの症状は見過ごしていると悪化して、急に保育園からの呼び出しがかかったり、保育園や学校を休ませることになるのは、働くママにとっては避けたいもの。
症状を長引かせない、悪化させないために耳鼻咽喉科が強い味方なのは知っていますか?今回は「小児科」と「耳鼻咽喉科」の使い分け方や、意外と知らない症状の診断などを特集。自身も2児ママである耳鼻咽喉科医の三塚沙希先生にうかがいました。
PROFILE 三塚沙季先生
風邪っぽい…まずは小児科で受診を!
とめどなく流れる鼻水に、何度も繰り返す咳…。子どもが風邪気味のとき、小児科と耳鼻咽喉科のどちらを受診するべきか迷ってしまいますよね。そんなときは、一番つらい症状がどこかに注目してみましょう。
小児科は小児の全身疾患を診療するところで、触診をしたり、聴診器で呼吸の音を聞くことなどで、全身の状態を把握するのに適しています。
代表的な風邪の症状、たとえば全身が重だるい、おなかが痛い、咳が出てゼイゼイする、発疹がでてきたといった場合は小児科を受診しましょう。
子どもを専門に診ているので、病気全般に精通しています。なんとなく体調が悪いのだけど、どこに原因があるかわからない場合も、まずは小児科にかかると良いと思います。
鼻水やのどの痛みは耳鼻咽喉科でしっかり治す
一方、耳鼻咽喉科は耳、鼻、のどを専門に取り扱います。つまり、鼻水、咳、のどの痛みといったよくある風邪の症状は、耳鼻咽喉科の得意分野です。
特に、鼻水やのどの痛みが気になる場合は、耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。鼻の中やのどの奥の状態をしっかり確認することができ、内服薬の処方以外にも、鼻水の吸引をしたり、腫れを緩和させる薬を注入したりできるので、より早くつらい症状を和らげます。
また、鼻水で注意しておきたいのが中耳炎です。子どもは鼻やのどに炎症を起こしやすく、ウイルスや細菌が中耳に侵入して中耳炎になるケースが決して少なくありません。
耳の痛みをお子さん自身が訴えてくれば中耳炎と気づきやすいですが、痛みや熱が出ない場合もあり、気づかないうちに長引き悪化したり、慢性化することもあります。
耳の中を診てくれる小児科医もいらっしゃいますが、正確な診断・治療は耳鼻咽喉科での対応となります。そのためにも、鼻水が出る場合は耳鼻咽喉科を受診してみてください。
中耳炎は大人でもつらい病気なので、小さなお子さんではなおさらのこと。お子さんが泣き叫んだり、ぐったりしていたら、ママも何が起こっているかわからず心配で不安なはず。
特に、中耳炎をよく起こしている子であれば、鼻水が出始めたら早めの受診をするようにしましょう。