坐薬の順番はどうやって決まっている?
使用する機会が少ない坐薬ではありますが、いざというときのために、その正しい使用方法は把握しておいてください。なかでも注意すべきは、2種類以上の坐薬が処方された際の「順番」について。 「坐薬の順番」がどのように決まっているのか、詳しく解説します。ちょっとややこしいですが、しっかり理解してくださいね。
坐薬の順番を決めるのは、薬の成分を溶かしこんで薬の形を作っている「基材」によります。 坐薬の基剤が、油に溶けやすい「脂溶性」なのか、水にとけやすい「水溶性」なのかによって、順番が決まってきます。
薬の成分は「基剤と逆の性質」なです。つまり、脂溶性基剤に入っている薬の成分は水溶性です。 これを踏まえて、2種類の坐薬がある場合は最初に「水溶性の基材」、次に「脂溶性の基材」の順に使用します。 もし脂溶性の基剤の座薬を先に使用した場合、後から使用した水溶性基材の坐薬のなかの「脂溶性」成分が、先に使用した坐薬の基剤に取り込まれて、効果が弱まってしまうからです。
2種類以上の坐薬が処方された場合、基剤が水溶性同士・脂溶性同士のものを使用することもあります。 この場合、使用する順番によって効果が弱まることはないため、順番は気にする必要はありません。5分程度あけて使用すると良いでしょう。
また、薬の優先順位も大切です。「解熱剤は先、便秘薬は後」など、緊急性が高いものから使用します。医師の指示に従うようにしてください。