プロの手を借りて、夫婦で心のメンテナンスを
──ご著書『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』には、「お互いの精神疾患を支え合う」夫婦として、犬山さんと劔さんご夫妻のケースも登場します。
犬山さん:
私は不安症、夫はうつの症状があり、心療内科で治療を受けたことがあります。症状が出てから病院へ行くよりも、日頃から心を守るためにプロの手を借りたいという感覚で、夫婦でカウンセリングにも通いました。私は理不尽なことですぐに怒ってしまう性格をなんとかしたいと思って通い始めたのですが、あまり怒らなくなりました。反対に夫は自分を責め過ぎてしまう性格ですが、自分を責めて落ち込む時間が少なくなったと思います。
──精神的に追いつめられていても、プロに相談するのは気が引けるという人も多いです。本当は必要なことなのですが…どうしたらマインドを変えることができるでしょうか。
犬山さん:
心療内科って最初はハードルが高く感じますよね。ネットにうつのチェックリストなどもあるので参考にしてもいいですし、信頼できる人に傾聴してもらうだけで楽になれる場合もあります。ただ体と同じように、心の不調もプロの手を借りるのは当然のこと。心療内科では、初診なら30分くらい話を聞いてもらえるので、先生との相性もわかります。まずは通いやすいところへ行ってみるのがいいと思いますよ。
「休みたい」「自分の時間がほしい」という自分の心の声をちゃんと聞き入れて、パートナーと話し合い、ときには第三者であるプロの手を借りることも必要なのですね。次回は、
「夫婦における「知識の格差」がママを孤独にしてしまう」にて、夫婦のコミュニケーションのコツについて、さらに掘り下げて聞いていきます。
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取材・文/林優子