望んでママになったはずなのに…ふとした瞬間に「ママをやめたい」と感じてしまう。そんな自分が自分で許せない──仕事に加えて子育ての重圧に押し潰されそうになりながら、行き場のない感情を抱える女性が増えています。


そんな時代を背景に、CHANTOがお届けする5月の特集は「ママを休もう」。今回はコラムニスト犬山紙子さんに、産後の不安や育児の悩みについて、どう向き合い、パートナーである劔さんとどのように分かち合ってきたのかをうかがいます。

 

PROFILE 

犬山紙子さん
コラムニスト。執筆業のかたわら、コメンテーターとしてテレビ番組でも活躍。最新作『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』(扶桑社)では、さまざまな問題を乗り越えてきた夫婦を取材し、リカバリーのヒントを示している。夫である漫画家・劔樹人さんとともに、3歳の女の子を育児中。

 

「ママをやめたい」は「自分をもっとケアしたい」に行き着く

──コラムニスト、コメンテーターとしても活躍される犬山さん。3歳の女の子のママでもありますが「ママをやめたい」と思ったことはありますか。


犬山さん: 

ありますよ~!仕事と育児に忙殺される日が続くと、2、3日で「ムリだ!」ってなります。私の場合「ママをやめたい」という気持ちを因数分解すると、「自分をもっとケアしたい」という思いに行き着くんですよね。子どもが嫌なのではなくて。

 

──CHANTO WEB独自アンケートでは、7割のママが「自分の時間が足りない」と感じていますが、「睡眠時間を削るしかない」「子どもが小さいうちはあきらめている」という人が多いです。犬山さんはどうやって自分の時間を確保されていますか。

 

犬山さん:

夫とスケジュールを調整して、1時間でも自分の時間を持つようにしています。コロナ禍以前は、保育園とシッターさんにもお世話になっていました。ママが休んだり、自分のために時間を使ったりすることを、ぜいたくとかわがままとか思わないようにしたいですよね。私の場合、自分のSOSを無視し続けていると自分が爆発したり壊れたりしてしまうことがわかっているので、がまんしないようにしています。

 

──犬山さんにとっての自分時間は、爆発しないために必要な「自分ケア時間」ということですね。その時間は、どのように過ごされることが多いですか。

 

犬山さん:

本を読んだり、ソシャゲ(ソーシャルゲーム)の推しに会いに行ったりして、リフレッシュしています。最近は子どもと一緒にいながら自分の時間を作る方法も模索中で、Twitterで募集したらいろんなアイディアが集まりました。ぬりえ用の下絵を描いてあげるときは、できるだけ塗る面積を大きくするとか、ダンボールとシールとクレヨンを与えれば、1時間は時間が稼げるとか。いろいろと実践しています。「オンライン幼稚園」など、優良なコンテンツもあるから、上手に動画を活用することも必要だと思います。