「次亜塩素酸ナトリウム」で消毒すべき場所
「次亜塩素酸ナトリウム」は「ハイター®」や「ミルポン®」などの製品に含まれる成分です。注意したいのは、ヒトへの刺激が強く、金属などを腐食させる可能性があること。
そのため広範囲の消毒には向かないのが現状です。消毒に用いるときは、次のような場所に行いましょう。
●トイレのレバーや便座
●吐物や便などが付着した物・床
●感染者が手を触れた電気スイッチなど
ただし、次亜塩素酸ナトリウムには強い漂白作用があるため、消毒液として使用すると腐食・変色が起こることも。気になる場合は、消毒をして5分ほど経過したら水拭きするようにしましょう。
使用するときの「濃度」について
次亜塩素酸ナトリウムは「ハイター®」や「ミルポン®」などの商品に含まれる成分ですが、物の消毒に使用するときに、これらをそのまま使用するのは厳禁です。
濃度が高すぎて目や鼻を強く刺激したり、物の腐食や変色を引き起こす原因になったりしますので、必ず薄めて使用するようにしましょう。
物の消毒に理想的な次亜塩素酸ナトリウムの濃度は「0.04~0.05%程度」です。目安としては、500mlのペットボトルに水を入れ、ペットボトルのキャップ1杯分を加えた濃度です。
最近では「次亜塩素酸水」も消毒液として販売されています。同じような名前ですが、次亜塩素酸ナトリウムとはまったく別のもの。物に付着した病原体をしっかり除菌できるかは、定かでない部分もあるのが現状です。
新型コロナウイルスの消毒については、厚生労働省が「次亜塩素酸ナトリウム」を薄めたものを使用するよう推奨し
ています(※1)。感染症をしっかり予防していくためにも、物に用いる場合はこちらをおすすめします。
(※1)厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」
文:成田亜希子