新型コロナウイルス対策として「3密を避ける」ことが、新たな生活様式となりました。外出や買い物をするときだけでなく、実は「stay home」中の家の中も、感染症が広まりやすい「3密」のひとつです。感染症を防ぐには、「換気」と「湿度」に気をつける必要があります。重要性と具体的な方法について、詳しく解説します。
感染予防と換気の関係性
ウイルスや細菌などの病原体が感染するルートは主に、「飛沫感染」「接触感染」「空気感染」の3つです。
飛沫感染:感染者のくしゃみや咳のしぶき(飛沫)に含まれる病原体を、近くにいる人が吸い込んで体内に取り込まれる感染ルート 接触感染:ドアノブや電気スイッチなどに付着した病原体に触れ、その手で鼻や口を触ってしまうことで体内に取り込まれる感染ルート 空気感染:空気中を漂う病原体を、同じ室内にいる人が吸い込んでしまうことで体内に取り込まれる感染ルート
飛沫感染を引き起こすしぶきには多くの水分が含まれていますので、通常は感染者から排出されると床に落ちていくため、長期間空気中を漂うことはありません。 一方、空気感染を引き起こす病原体は一定時間空気中を漂う性質があり、感染者の近くにいなくても同じ空間にいただけで感染する危険があるのです。 室内の換気には、このような「空気感染」を予防する効果があります。つまり「空気中を漂っている病原体を室内から追い出す」というわけです。 新型コロナウイルスの感染ルートは飛沫感染と接触感染とされています。ですが各国の研究で、ウイルスを含むしぶきが細かい粒子になって一定時間室内に漂うことが分かってきました。 なかには「3時間以上空気中を漂う」との報
告もあります(※1)。家の中にいるからといって安心せず、こまめな換気を心がけることが必要なのです。