パソコンのOSやソフトのバージョンなどに影響を受けずに開けるPDFファイル。しかし、PDFファイルを編集したいと思っても、専用のソフトがないため諦めたことはありませんか?

 

実は、PDFファイルはWordに変換することで編集しやすくなるんです。

この記事では、PDFファイルをWordに編集する方法や注意点などについてご紹介いたします。

目次


PDFファイルを編集するにはAcrobat DCが必要

PDFを閲覧するにはAdobe Readerというソフトのインストールが必要です。Adobe Readerは無料でAdobe社が提供しているソフトで、インストールも簡単なため、ほとんどのパソコンでPDFファイルを閲覧することが可能です。

 

しかし、PDFファイルを編集するには、Adobe社のAcrobat DCというソフトが必要になります。このソフトがインストールされているPCであれば、Wordに変換などせずに編集することが可能です。

しかし、このAcrobat DCはやや高価なソフト。「ちょっとこの部分だけ編集したい」くらいのニーズでは、購入しづらい商品といえるため、プライベートで購入している人は珍しいかもしれません。

 

そのため、これまでは安価に販売されているPDF編集ソフトや、フリーのオンラインサービスなどを利用するのが一般的でした。当然、Adobe社公式の編集ソフトではないため、なにかトラブルが起きたときには自分で調べて解決しなくてはなりません。コンピューターリテラシーの低い利用者にとってはハードルの高いものでした。

 

ところが近年では、そんな利用者のニーズを受けてか、WordにPDFを編集できる機能が搭載されました。また、より気軽に使えるオンラインのPDF編集サービスも多く誕生しています。

 

 

PDFファイルをWordに変換する方法とは?

MicrosoftがWordにPDFファイルの編集機能を初めて導入したのはWord2013でした。以降、2016、2019、Office365と実装され続けています。

 

Wordを使ったPDFファイルの編集の手順は以下の通り。

 

1.Wordを新規で開き、[ファイル]から[開く]をクリックする

2.[参照]をクリックし、[ファイルを開く]ダイアログが表示されたら、ファイル形式を[PDF Files]にしたうえで、編集したいPDFファイルを選択する

3.[開く]ボタンをクリックする

4.[PDFから編集可能なWord文書に変換をします。…]という内容のメッセージが表示されたら、[OK]をクリックする

5.PDFファイルがWord文書として開かれ、編集可能となる。

PDFをWordに変換するときの注意点

気軽に使えるPDFのWord変換サービスですが、注意点もあります。特に気をつけたいのは、次の2つです。

 

①レイアウトやフォントが崩れることが多い

PDFファイルに変換される前は、それぞれPowerpointやExcelなど、Word以外のソフトで作られたファイルもあります。それをWord形式に無理やり変換するため、当然レイアウトが崩れたり、フォントが異なるものに置き換えられていたりということがあります。

中身が編集できるようになったことを確認したら、自分で体裁を整える必要があることを頭に入れておいてください。

 

②セキュリティー設定で編集が禁止になっているものは、編集できない

PDFファイルを作成した人(オーナー)が編集禁止の設定をしている場合は、編集しようとするとオーナーパスワードを聞かれます。こういったファイルの場合は、オーナーにパスワードを共有してもらうか、編集禁止の設定を解除してもらわなければ編集できません。

PDFファイルを編集するためのオンラインサービスやフリーソフト

オンラインでPDFファイルをWordにするサービスやフリーソフトは数え切れないほどあります。フリーソフトは、無料で利用することができる点がメリットです。とはいえ、数が多すぎるためにどれを選べばよいのか迷ってしまう…という方も多いのではないでしょうか。

そこで、特におすすめのオンラインサービスとソフトについてご紹介します。

 

オンラインサービス

・SmallPDF

PDFファイルをブラウザ上にドラッグアンドドロップするだけでファイルが自動的に変換されるサービスです。変換先はWordだけでなく、ExcelやPowerpointも選ぶことができます。

 

・iLovePDF

こちらもPDFファイルをドラッグアンドドロップして変換するサービスです。SmallPDFとほぼ同じ機能ですが、PDFにページ番号を挿入したり、ウォーターマークといわれる著作権表示などのために、静止画像や動画に写し込まれる小さな図案や文字をいれることができるという点は、こちらの方が充実しています。


フリーソフト

・Adobe Acrobat Pro DC

先ほど、Adobe社公式の編集ソフトとして有料のAcrobat DCを紹介しましたが、期限付きでその体験版が利用できます。Acrobat DCの購入を検討しているけど迷っている…という方は、まずは無料の体験版を試してみてはいかがでしょうか。

 

・Renee PDF Aide

複数のPDFファイルを一括でWordに変換できるソフトです。商用利用でなければすべての機能を無料で利用できるため、個人で使う方にはおすすめです。

裏技を知って上手にPDFファイルを編集しよう

今回はPDFファイルをWordに変換して編集する方法をご紹介しました。

自宅PCを使ってリモートワークをしている場合、PDFを編集するソフトがなく、作業が思うように進まないというようなこともあるのではないでしょうか?今回ご紹介したWordに変換してPDFを編集する方法を覚えておくと便利です。

 

さまざまな方法がありますが、すべてを網羅する必要はありません。自分のニーズに合った方法をうまく取り入れて、仕事の能率が上がるよう工夫してみてくださいね。

 

文/佐藤仁美