足の親指が小指側に傾いたり、つけ根がボコッと膨れたりしてしまう「外反母趾」。外反母趾は成人の約30%が発症しているといわれており、身近な病態となっています

(※1)。外反母趾の原因やチェックポイント、予防方法などについて理学療法士がアドバイスします。

外反母趾の原因

 

iStock/bgwalker

 

外反母趾になる原因として、以下のような3つの要素が挙げられます。

1.靴による影響

履いている靴の形によって親指に負担がかかると、外反母趾の原因となる可能性があります。 特につま先部分が細い靴は、親指を小指側に圧迫してしまい、変形を強めてしまうことも。また踵の高い靴は足が前に滑ってしまうため、つま先に負担がかかり外反母趾の原因となります。 つまり、つま先が細いパンプスや踵の高いハイヒールなどは、外反母趾になりやすい傾向があります。

 

2.足のアーチの崩れ

足には「アーチ」と呼ばれる部分が、3つ存在しています。

内側縦アーチ:土踏まずの部分
外側縦アーチ:足の外側
横アーチ:親指から小指にかけて弧を描く

引用:PhotoAC

 

足のアーチは、体重を受け止めるクッションのような役割や、歩く時の推進力を生み出すバネのような役割を果たしており、人間が動くために重要なものとなっています。 アーチが効率よく働くためには、足にある「筋肉の働き」が重要です。筋肉が衰えるとアーチ機能が崩れ、外反母趾の原因となる可能性があります。

 

3.回内足(かいないあし)・偏平足(へんぺいそく)

下の写真のように、後ろから足の踵を見たときに、内側に倒れているのを「回内足

(かいないあし)」といいます。回内足は内側に体重がかかりやすく、内側のアーチが潰れる原因となることが考えられるでしょう。

 

また内側のアーチが潰れてしまい、土踏まずが平らな足を「偏平足

(へんぺいそく)」といいます。これら回内足や偏平足は、親指を外反方向へ傾けてしまいやすく、外反母趾の原因となる可能性があります。