子どもは耳の構造が未熟なため、風邪をひくと中耳炎になりやすいもの。また症状が治まったとしても、しっかり治しきらなければ、炎症が慢性化して「滲出性中耳炎

(しんしゅつせいちゅうじえん)」に進行する危険性もあります。難聴になる可能性もある「滲出性中耳炎」について、詳しく解説します。

滲出性中耳炎ってどんな病気?

 

iStock/ nzfhatipoglu

 

滲出性中耳炎とは、鼓膜の奥の「中耳」と呼ばれる空間に液体が溜まる病気のことです。主な原因は、風邪などによって引き起こされる急性中耳炎がしっかり治りきらず、弱い炎症が慢性的に続くこととされています。 中耳に溜まった液体は、通常であれば「耳管」と呼ばれる細い管を通ってのどや鼻へ流れ落ちていきます。ですが、子どもは「耳管」の機能が未熟であるため、液体が排出されにくく「滲出性中耳炎」を発症しやすいのです。 小学校に入るまでに9割近くの子が、一度は滲出性中耳炎にかかるとのこと

(※1)そして年齢が上がるにつれ、耳管が発達していくと発症しにくくなっていきます。

「滲出性中耳炎」の症状と影響

「滲出性中耳炎」は、風邪の後などに発症する「急性中耳炎」とは異なり、発熱、耳の痛み、耳垂れなどの症状を引き起こさないのが特徴です。 一方で、中耳内に溜まった液体によって鼓膜の動きが遮られるため、音が聞こえにくくなったり、耳が詰まったように感じたりといった症状が見られるようになります。 その結果として、言葉の発達の遅れや、集中力や注意力の低下による、学習への支障が生じることも少なくありません。

 

 

>>NEXT 「滲出性中耳炎」になりやすい子の特徴