子どもが小さいときは軽い風邪などであっても保護者が病院へ付き添うもの。 自分の症状を正確に伝えられなかったり、医師からの説明が理解できなかったりすることも多々あるため、「一人で病院へ行かせる」という選択肢はないでしょう。 一方で、ある程度の理解力がつく年齢になってくると、「そろそろ一人で病院へ行かせてもいいのかな?」と考える方も多いはず。 子どもが一人で病院へ行ってもよい年齢と注意点について、内科医である筆者の見解を述べたいと思います。
現在の医療の原則は「説明と同意」
診察しても患者さんへの説明はさほどなく、医師が治療を決めて開始する…かつてはこのような「医師の主導による医療」が一般的な時代もありました。 しかし、現在の医療では「説明と同意」が大原則。診断を下すにせよ治療を行うにせよ、医師は患者さんとご家族に丁寧な「説明」を行い、治療を始める際には「同意」を得ることが求められています。 それはがんなどの大病に限らず、のどの痛みや鼻水など、ごく軽度な風邪症状であっても同様です。そのため、子どもの受診には「説明と同意」が可能な保護者の付き添いが必須となります。 子どもが成長してある程度の理解力などがつけば、病院へ一人で通わせる保護者がいるのも事実です。ですが、相手が子どものみの場合、医療機関側は「同意」を得ることに不安を感じることも少なくありません。 なかには、保護者の同意書がなければ行うことができない治療や検査もあります。患者さんと医療機関が適切な医療を行っていくには、原則的に子どもの受診には保護者が付き添うべき…そう考えておきましょう。