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vol.29 ゲーム規制条例

育児、仕事、家事、社会のこと、ママたちが普段気になっていることをCHANTOモニターに大調査!ママたちの「どうして?」を「なるほど!」に変える記事をお届けします。vol.29は「ゲーム規制条例」についてです。

 

204月から香川県でネット・ゲームを規制する条例が施行されました。18歳未満の子どものネットやゲーム依存症を防ぐことを目的としており、全国初の取り組みです。ゲームは平日の利用を60分、休日は90分とするほか、スマートフォンの使用時間の目安を示すもので、罰則はなく各家庭でのルール作りを促すためのものとされています。この条例に対し「依存症を防ぐためにはいい」「条例で定めることなのか?」など賛否両論があがっていました。

 

今回は、このゲーム条例についてCHANTOモニターのみなさんに調査しました。

「時間を決める」「ポイント制にする」自分にプラスになったゲームのルールは…

まず「条例でゲームの時間を規制することに賛成ですか?」と聞きました。

 

結果は、「どちらかといえば賛成」29%、「賛成」21%で、肯定的に思う人は合わせて50%となりました。賛成の理由としては、「視力低下のリスクがある」「依存症が心配」というゲームが及ぼす可能性がある子どもへの影響、そして「家庭だけでは規制できない」とルールを子どもに徹底することが難しいママの悩みが浮き彫りになっています。

 

対して反対意見は「反対」8%、「どちらかといえば反対」16%で計24%に。

 

反対と答えた人は「それぞれの家庭のやり方があると思うので条例で定めるべきではない」と行政が家庭教育に介入することへの疑問、「ゲームプログラマーやプロのゲーマーなど職業になる時代なので、その芽を摘んでしまうのでは」と子どもの興味や関心を制限することへの危惧を感じていました。

 

なお「どちらでもない」と回答したのは残りの26%。条例にはメリットとデメリットがそれぞれあり、どうすべきかを決めかねている人も一定数いることがうかがえます。

 

そこで、子どもとゲームの付き合い方のヒントを探るため、「あなたが子ども頃、ゲームをやるときに親が決めたルールで有益だったと思うものがあれば教えてください」と聞きました。

 

一番多かったのは「時間を決める」というルール。1時間や30分など時間を決めてメリハリをつけることは、勉強などにも生かせる方法ですよね。子どもの集中力を育てるのにも役立ちそうです。

 

さらに「宿題やお手伝いなどやることをやってから」や「勉強やお手伝いをポイント制にしてゲーム時間を決めていた。楽しみがあると勉強も工夫して効率よくこなすことを考えたので」などごほうび的な位置付けにするものや「ルールがないからこそ逆に気を付けていた」と自律心が育ったという興味深い意見も。

 

ゲームに関わってこなかったと回答したママの多くは、ゲームをしていなくても、好きなことを見つけたので結果的によかったと答えていました。

 

そんなママたちからは「自分の子どもにはゲームだけでなくゲーム以外に好きなことも見つけられるよう促していきたい」「ゲーム以外の興味を持つようになれば、自然とゲームの時間は減るので例えば本を読むとか絵を描くとか他のやりたいことも合わせて話し合うと良いと思います」というコメントが寄せられていました。

 

子どもの性格によって適切なルールはそれぞれ違うはず。各家庭でルールを決める際にこれらのママたちの経験談が役に立ちそうです。

 

香川県に続き秋田県大館市でも同様の条例が検討されており、さらに続く行政も出てくるかもしれません。しかし、条例などで一律に規制してしまうのではなく、まずは子どもたち自身が進んで考えるきっかけや、どういう関わり方をするか子どもが選べるように選択肢を大人が提示すべきです。

 

そのために、科学的な根拠に基づくゲームのメリットデメリットを子どもたちにわかりやすく教える場があったり、ゲームに代わる遊びと学びの場を提供するような機会も必要です。

 

また子どもとルールを決める前に、なぜゲームのルールを決めなければいけないのか、時間を決める場合にはどれくらいの時間が適当であるのか…など、まず親である私たち自身が真剣に考えるべきといえるでしょう。

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取材・文/阿部祐子 イラスト/児島衣里

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©️CHANTO調べ 調査期間:2019年3月5日〜2020年3月14日 調査対象:CHANTOモニター106人