2019年5月、WHO(世界保健機関)によって、新たな病気として認定された「ゲーム障害」。ゲームに熱中し日常生活に支障を引き起こす病気で、日本でも多くの患者がいると推定されています。成人ばかりでなく、中高生など思春期の子どもが発症しているケースも少なくないとのこと。ゲーム障害について詳しく解説します。
「ゲーム障害」ってどんな病気?
ゲーム障害とは、簡単に言えば「ゲーム依存症」のこと。 ゲームに熱中しすぎることで生活がゲーム中心に回り、昼夜逆転など不規則な生活リズムに陥ったり、仕事や学業に大きな支障を来したりする病気です。 様々な研究により、ゲーム障害の人はゲームを見ると脳の「大脳辺縁系」と呼ばれる、本能を支配する部位が活発に活動し始めることが分かっています。 私たちは日常的に「〇〇をしたい!」「△△を食べたい!」と様々な本能を感じながら生活しています。しかし、社会生活を送る上でそれらの本能のまま行動することはできません。 そこで、理性を司る「前頭前野」と呼ばれる部位が、大脳辺縁系で生じた本能を抑える働きをしています。
ところがゲーム障害の人は、大脳辺縁系の働きが異常に強まるため、状況を考えることなく「ゲームをしたい!」という本能のまま行動してしまいます。 その結果として、日常生活や社会生活に大きな影響を与えると考えられています。ゲームが原因でこのような状態が12か月以上続くケースを、WHOでは「ゲーム障害」と診断すると定めています。