思春期の子どもに多い「起立性調節障害」は、その症状からして、周囲からは一見「怠けているのでは?」と誤解されることも多い病気。親であっても悩んでしまう、これらの症状の見守り方はどうしたらいいのでしょうか? 小児科看護師の立場からお話しします。  

 

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「起立性調節障害」は怠けていると誤解されがち

 

「起立性調節障害」とは、自律神経による循環調節(特に上半身、脳への血流低下)が障害される病気。 思春期前後の小児に多く、症状はさまざまですが、主なものとしては以下のようなものがみられます。

●疲れやすい
●朝なかなか起きられない
●長時間立っていられない
●立ち上がった時のたちくらみ

自分では症状をコントロールすることができず、見た目などに症状があらわれるのではないため、周囲からは「怠けている」と勘違いされがちで、悩む子どもも多いのです。

 

 

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起立性調節障害には「朝起きられない」「疲れやすくだるい」といった症状があり、そのせいで学校に行くのがつらく、不登校につながりやすい病気でもあります。 実際、不登校の子どもの約3〜4割に、起立性調節障害を併存するという結果を示した調査報告もあり

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、深刻な問題といえるでしょう。 症状が午前中に強い傾向にあり、症状が辛くて学校を休んだのに午後には元気、などというケースも多いことから、親から見ても「怠けているのでは?」と誤解してしまうことも。 そのため親はがんばって学校に行くよう説得し、子どもは「自分のがんばりが足りないからだ」「自分はダメな子だ」と自身を責めてしまう悪循環が生まれます。 その心理的ストレスがさらに症状を悪化させ、不登校状態を深刻化させてしまう事態を招くこともあるのです。