安心して病気やけがの治療を続けていく上で、医師との相性は非常に大切です。しかし、医師も患者さんもひとりの人間です。どうしても反りが合わず、もやもやしながら通院を続けるのはストレスです。そこで今回は、やむなく転院を希望するときの注意点について、詳しく解説します。

転院しても大丈夫なの?

 

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数ある医療機関の中から、どの医療機関を選ぶかは基本的に患者さんの自由。きわめて特殊な治療をする場合を除いて、私たちは自分の好みや希望にあった医療機関で治療を受けることができます。 しかし、数ある中から厳選してひとつの医療機関を受診したとしても、医師との反りが合わず「失敗したな…」と感じることもあるでしょう。なかには嫌気がさして治療を中断してしまう方もいるかも知れません。 そんなとき、別の医療機関を受診し直したいと考えるのは自然の流れです。

 

治療や検査を継続して行っている最中であっても、他の医療機関を受診することはもちろん可能です。医師や医療機関には患者さんを引き留める権限はありません。 しかし医師の立場から、転院をご希望される際に注意していただきたいことが一点あります。それは必ず「紹介状」を持って転院してほしいということです。 筆者自身も、「通院していた医師と反りが合わないのでここで治療を受けたい」と来院される患者さんに遭遇することはたびたびあります。 ですが転院先の医師は、これまでの治療内容、検査結果、さらには今後の治療計画について何も知りません。そうなると、すべて一から検査や治療をやり直さなければならなくなります。 患者さん自身にも負担になりますし、医療財政圧迫にも拍車をかけることにも繋がります。転院の希望は患者さんの権利でもありますので、躊躇せずに希望を申し出て、紹介状を作成してもらいましょう。

 

 

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