交通事故の死者数で毎年ワースト1位だった愛知県。しかし今年発表された統計によると、千葉県が愛知県を抜いてワースト1位に。愛知県は実に17年ぶりに全国ワーストから脱却したのですが、一体どのような取り組みをおこなったのでしょうか?

 

愛知県がワーストから抜け出した要因とは?

愛知県で交通事故が多発するのは、自動車の保有台数が全国で最も多いことやスピードを出しやすい広い道路が多いためと言われています。同県は死者数428人を記録した2003年以降、16年連続で交通事故死者数が全国最多に。

 

しかし2019年に愛知県内で発生した交通事故死者数は156人で、昨年と比べて-33人。死者数172人だった千葉県を下回って全国ワーストから抜け出しました。

 

この要因のひとつに、愛知県警が2015年からおこなってきた「交通事故分析システム」という取り組みが挙げられます。同システムは各警察署の交通課に導入され、約10年分の事故データを地図で見ることが可能。事故が起こりやすい場所や時間帯に絞った取り締まりを実施してきました。

 

2016年には、交通安全を呼びかける自転車部隊「B−Force(ビーフォース)」を発足。また「可搬式オービス」の導入や、安全運転をサポートしてくれる「セーフティサポートカー」の普及にも力を入れました。その結果2018年には交通事故死者189人で、68年ぶりの100人台に。そして昨年は統計開始以来最小の数字となり、汚名返上を果たしています。