医師の私がこだわる「ネットで取り扱う医療情報」

 

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ここまででご説明したように、インターネット上には間違った医療情報も多くあります。 だからこそ医師である私は、インターネットで医療情報を書く際には「インターネットで取り扱える医療情報」に注意しながら取り組んでいます。 私が小児科医として、自分自身に課している「インターネットで取り扱える医療情報」とは、以下の通りです。

●診療をしていくなかで調べた、論文や信頼性の高い情報
●学んだことのなかで、保護者にも知ってもらうと、より子どもにとって安全だと思うこと

 

その一方で、「症例報告」や「ケースコーントロール試験」のような根拠の低い情報は、取り扱わないように心がけています。 皆さんがインターネット上の医療情報を参考にする際にも、その記事が医療論文や信頼性の高い文献を参考に書かれたものか、十分に確認する必要があるでしょう。

 

 

医療記事の内容が〝すべての人〟に当てはまるわけではない

 

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子どもの症状の訴え方や症状は、十人十色。すべての子が同じサインを出すとは限らないので、医療記事だけでは、その疾患に対するすべての情報を伝えられるわけではないのです。 そのため、少しでも不安に思うこと、わからないことがある場合には、かかりつけの先生を受診することをおすすめします。 かかりつけの先生は常に味方でいてくれますし、大きな病院での精査・入院が必要と判断すれば速やかに紹介をしてくれます。安心して症状の経過をお話して、診療を受けてくださいね。 インターネットの情報は「あくまで参考」としてとらえることが大事。〝わかったフリ〟をしてしまうことは、患者さんにとっても医師にとっても、決して良いことではないと思います。

 

 

文:小児科医 あきら