自身や家族が病気と診断されたときなど、それについてネットで検索することは、いまやごく自然なことだと思います。 筆者自身は医師として、医療情報をネット記事としてわかりやすく、間違いがないように伝えることに難しさを感じています。 患者さんやそのご家族に誤解を与えてしまったり、不安を煽ってしまったり、「理解した気分」にさせてはいけないからです。 今回は、インターネット上の医療情報について感じる課題と、ご家庭での解決策を解説します。

SNSには間違った医療情報もあふれている

 

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現在は、医学的な内容の情報をネット検索すると、ある程度、有用な情報が上位に表示されるようになっています。 例えば「インフルエンザ」で検索をかけると、ブログやキュレーションサイトではなく、次のような信頼できるWEBサイトが検索上位に表示されるようになっています。 ●インフルエンザ関連の最新ニュース(大手メディア配信)


●厚生労働省や感染症研究センターなどの公的サイト


●製薬会社や医療関連の協会が運営する情報サイト


●フリーアクセスの学術論文 など

 

しかし、症状・疾患・治療に関して、すべての方が「検索」から情報を得るわけではありません。なかには、SNSから情報を得る方もいらっしゃるのではないでしょうか。 そのなかには、明らかに医学的根拠のない治療方法を、SNSを用いてインフルエンサーが拡散している事例も、私はたびたび見かけています。 インターネット上で個人が発信している内容には、根拠のない、間違った医療情報が含まれていることがあるのは事実。惑わされないよう、十分な注意が必要なのです。