vol.25 つながらない権利
育児、仕事、家事、社会のこと、ママたちが普段気になっていることをCHANTOモニターに大調査!ママたちの「どうして?」を「なるほど!」に変える記事をお届けします。vol.25は「つながらない権利」についてです。
メール、SNSの普及により会社以外でも同僚や取引先と連絡がとれ、仕事ができるようになりました。それを便利に感じる反面、退勤しても休日でも連絡が来て休んだ気にならない…という人も多いのではないでしょうか?そんな中で、今注目されているのが業務時間外の連絡への対応を拒否できる「つながらない権利」です。既にフランスやイタリアなどの国でこの権利が法制化されており、日本でも関心を集めています。
今回は、CHANTOモニターのみなさんに「つながらない権利」について聞きました。
勤務時間外に連絡を受ける人は58%、徹底したルール化が求められる
まず「つながらない権利は日本で必要だと思いますか?」と聞きました。その結果「必要だと思う」は63%、「どちらでもない」27%、「必要ない」10%という回答となりました。約6割の人が必要とする一方で「ママになってから就業時間内に仕事が終わらないので、むしろ24時間好きな時間に仕事をさせてほしい」など、勤務時間外にも連絡を取る必要を感じている人も複数いました。
「勤務時間外に連絡を受けることがあるか?」には「はい」58%、逆に「勤務時間外に同僚に連絡することがあるか?」には「はい」46%とそれぞれ半数近い数字となっています。
「
過去営業職で、私が退社していても休日でも得意先が営業していれば電話はバンバンかかってきました」「主人は休み平日関わらずいつでも仕事の電話が鳴っています。家族との休日でも仕事をしなければならない状況です」などというコメントがあり、職種や仕事の状況次第で退勤後や休日にも対応しなければならない状況が垣間見えます。
元来休みベタとも言える日本人にもこの権利は定着するのでしょうか?「勤務時間外の業務連絡を避けるために必要なことはなんだと思いますか?」と聞きました。
一番多かったのは「法令や社のルールとして定めること」という意見。つながらない権利は個人が主張しても、社会にある程度浸透しなければ意味がありません。日本の企業でも、全社員に深夜や早朝、休日のメール連絡を禁止するルールを設けるところが増えており、これからこうした動きが他の企業にも少しずつ広がってくることが望まれます。
個人で勤務時間外の連絡を減らすためには、留守番電話の活用や、受信したメールに「休日中です」と返信する自動返信設定などを積極的に活用すべきという人や同僚や取引先との日常的な情報共有が重要だとする人もいました。
メールやSNSなどの発展は在宅ワークの推進にもなるよい面もありますが、公私の線引きを明確にしないと24時間働きっぱなしになってしまいます。職種や業務によっては勤務時間外にも連絡を取らざるを得ないこともあると思いますが、「プライベートを削ってまで働くのが美徳」という考えはもう古いもの。法令や会社の規定の見直しに加え、まず個人がお互いそれぞれの休みを尊重する気持ちを意識して持つことが重要です。
取材・文/阿部祐子 イラスト/児島衣里