社会人なら「リストラ」は、なるべく経験したくないもの。最近は、業績が好調でも退職者を募る企業が増えてきているようです。そこで今回は、いま話題になっている「黒字リストラ」について見ていきましょう。

 

黒字なのに希望退職者を募集する「黒字リストラ」とは

2020年に株式会社東京商工リサーチが公開した調査結果によれば、36社の上場企業が合計1万1351人の早期・希望退職者を募集。社数や人数は過去5年間で最多を更新しました。全体の65.7%が業績不振でしたが、製薬系の3社が直近決算で増収増益だった模様。今回の製薬会社のように、好業績にも関わらず退職者を募ることを“黒字リストラ”と言います。

 

昨年10月に発表された調査では、アステラス製薬や中外製薬、カシオ計算機、キリンHDなどの企業が「先行型」の募集を実施。先行型とは、業績が好調な企業が“将来を見越して”人員削減に踏み切ることです。企業の目的は、バブル期に大量入社した社員による“逆ピラミッド状態”の解消や事業の絞り込みなどを図るため。同調査によると、“人員の新陳代謝”を急ぐ企業が増えているそうです。

 

「黒字リストラ」を知った人からは、「会社の状況に関わらずリストラの対象にされるので、いつまでも安心できない…」「黒字企業でもいわゆる“窓際社員”みたいな働き方をしてたら、すぐリストラ対象になるかもね」といった声が上がっていました。