—— いろいろな貞子バーバが見られるので、すごく楽しいです。お気に入りはどのエピソードですか?
シロコさん
いくつかあるけれど「みかん」はよく描けたと思っています。当時の心境としてはまったく穏やかじゃなかったけれど、出来上がったら別次元のおもしろいものになっちゃったという気分ですね(笑)
あとは、ディメンター(吸魂鬼)貞子を思いついたのは自分でもすごいと思っています。「ゾンビはひどい!」とコメントしてくれた人に感謝します。あの言葉がなければ、思いつかなかったアイデアでしたので。
自分もこれから年寄りになっていくのですが、本当に、居るだけで吸い取られるんですよ、あれってなんなのでしょうね〜ぇ。こっちがどんどん元気になくなっていくというね。もちろん明るいお年寄りもいらっしゃるので、そんな人ばかりでもないんですけど……。やっぱり姑であること、同居であるいうことがイライラの元になっていたのでしょうね。でも、あのディメンター貞子の登場で、話の幅が広がっていきました、感謝です。
—— ズバリ! 同居はおすすめですか?
シロコさん
おすすめしません!(キッパリ!) でも、一つ屋根の下でなければいいと思います。一つ屋根の下24時間一緒というのは、夜中のトイレとか足音とか常に気配を感じるんですよね。それが気づかずに大きなストレスになっていくんです。
「スープの冷めない距離」って本当にその通りだと思いましたね。姑の家で頭に来ても、自分の家に帰れば、姑のいない空間で落ち着くことができます。一つ屋根の下だと常に視野に入るからそうはいきません。そんなつもりじゃないのだろうけど、イライラしているときに視野に入るだけで「わざとなの?」「バーバ、部屋に行けば?」って言っちゃうんです。広い土地があれば、離れを作るという手もあるけれど、なかなかね。
こちらも年を取ってくるので双方わがままが出てくるでしょ。同居はおすすめしないです。私、自分の娘とでもしたくないって思ってますから(笑)
—— 先輩主婦として、CHANTO WEB読者へメッセージをお願いします。いずれやってくるかもしれない同居生活の心構えなど、伝授いただければ!
シロコさん
さだまさしさんの歌に「愛すればいい」というフレーズがあるんですけど、本当にそうだと思います。愛するに至るまでには相当な年月と忍耐が必要ですよね。
なので、どこかで開き直ることが大切かなと。戦ってはいけないんです。腹が立っても右から左に流す。そのためには何かストレス発散できるものを見つけておくことも大事ですね。好きで一緒になった人とでさえ、一つ屋根の下に暮らす中で、問題が起きるのもの。そうでない人と一緒に住むとなったら、覚悟と対策は必要ですね。
—— この本のおすすめポイントを教えてください!
シロコさん
同居の教本とまでは言わないけれど、こんな同居もあるんだなと楽しんでもらえたらうれしいです!
シロコ(著者)
1960年9月8日生まれ。子供の頃から漫画が大好き。主婦をするかたわら趣味の延長で時々イラストを描いていた。2015年から姑と同居したのを機にインスタグラムを開始。 Instagram
@shiroko.chloe
取材・文/タナカシノブ