映像技術の進歩により、日本映画も迫力満点のアクションシーンやCGによる驚きの演出なども見られるようになりました。しかし、今から100年前の日本映画には、映画に音がない時代。“活動弁士”、通称“活弁(カツベン)”による“しゃべり”で映画の世界へと誘っていました。
今回ご紹介する映画は、カツベンが活躍していた時代のお話です。
映画『カツベン!』
夢は一流の活弁士!
物語の舞台は、今から100年ほど前の日本。映画が活動写真と呼ばれ、色はモノクロ、音もないサイレントだった時代です。通称カツベンと呼ばれる人たちは、映画に声をあてるのではなく、物語の説明をしてくれる人。音楽も、楽士と呼ばれる人たちが奏でていました。流れる映像にライブで話と音楽をつけて、観る人を映像の世界へと導いてくれていたのですね。
本作の主人公は一流のカツベンになることを夢見る青年、染谷俊太郎(成田凌)。ひょんなことから、小さな町の活動写真小屋(今でいう映画館)「靑木館」に流れ着き、住み込みで働き始めます。しかし、任される仕事は雑用ばかり。彼が憧れのカツベンになれる日は来るのでしょうか?