看護においての「看病」の考え方
さて、もうひとつお話ししたい看病のコツは「子どもの意思」との折り合いについてです。
子どもの看病をしているとき、取るべき処置や投薬などを嫌がり、困った経験はありませんか? 薬を飲ませようとすれば「苦いから飲みたくない」、水枕をすれば「冷たいからイヤ!」などと子どもが主張。 親心としては「適切な対処で早く治ししたい」と思いますが…これは、看護の過程でも「倫理的葛藤」として課題になる部分です。
この場合の対応ですが、子どもであっても「ひとりの人格」として尊重する姿勢をとって、納得を得させてほしいと思います。 薬を飲む効果や氷枕をする目的、もたらす結果などを、子どもにわかる言葉で説明して、自発的に看病を受けるようコミュニケーションしてください。
看護倫理では「気持ちが言えるようにすることは、子どものその後の成長に影響する重要なことで、自分の意思を表明する権利を尊重することである」と言われています。
なかなか簡単にはいかないこともわかりますが、同じ親として、筆者も「説明と同意」を大切にしたいと考えてます。
文: 松本悠里香