多くの親が悩まされる、子どもの便秘問題。「いったいどこまでが正常で、どこからが治療?」「ちゃんと薬を使ったほうがいいの?」と、疑問はつきません。そもそも何日出なければ便秘なのか、どうすれば治せるのかを、小児科医の金子光延先生に伺いました。
<取材協力>金子光延先生(小児科医・医学博士)
1960年東京都生まれ。1986年産業医科大学医学部卒業後、同大学病院小児科勤務、横浜労災病院勤務、静岡赤十字病院小児科副部長を経て、2002年にかねこクリニックを開院。新米ママ、新米パパにもわかりやすい病気の説明、予防法のレクチャーに定評があり、多くのママ、パパから信頼を集める。著書に『よくわかる、こどもの医学』(集英社新書)、『こどもの感染症―予防のしかた・治しかた』(講談社)などがある。2020年1月に『保育園&小さな子どものいる家庭での食物アレルギー 事故を防ぐためコレだけは』(かもがわ出版)を上梓予定。
食欲がなく苦しそうなら便秘、元気に食べられるなら大丈夫
「そもそも、便秘に明確な定義はありません。これは、大人も子どもも同じです。
便秘かどうかは、便が出ないことで苦しんでいるかどうかを基準に考えてください。
まず乳児期であれば、母乳やミルクの飲みが悪くなってきたとき、おなかがはっているとき。これはあきらかな便秘です。
卒乳したあとも、便が出ないことで食欲もなく、便を出すときに苦しがっていたら便秘といえます。
反対に2日に1回、3日に1回しか出ない子でも、ご飯をバクバク食べていて、機嫌よく過ごせているなら、便秘ではありません」(金子先生)
つまり便秘かどうか、改善が必要な事態かどうかは、子どもの様子しだい。 食欲に変化がないか、おなかがいつもよりはっていないかどうかを、まずはよく見てあげましょう。