【この記事は、CHANTOママライターによるウェブ限定記事です】

                       

ライター名:外山ちえ子

 

かつて、私が子供の頃は「鉄道ファン」というと、非常にマニアックなイメージでしたが、最近はよりポピュラーになってきましたよね。鉄道ファンといっても、「乗り鉄(鉄道に乗って楽しむファン)」「撮り鉄(鉄道の写真を撮影して楽しむファン)」「葬式鉄(引退車両を見に行くファン)」等、多様化しています。男の子はだいたい電車が好きなので、私の息子も立派な「小鉄(子供の鉄道ファン)」に成長しました。そこで今年の夏休みは、鉄道の仕事を体験できるホテルイベントに参加することに。夏休みには、各鉄道会社で子供向けのイベントが多数開催されますが、息子はよくJRと京王線を利用しているので、あまり乗ったことがない西武線関連のイベントをチョイス。西武鉄道×新宿プリンスホテル×西武新宿ペペのコラボイベント「キッズアフタヌーンティープラン」に行ってきました。いわば「体験鉄(鉄道会社の裏側を体験する鉄道ファン)」とでも言いましょうか。そんな体験鉄レポートです!

 

「鉄道の仕事体験」で参加したプランの内容はこんな感じ

今回利用した「キッズアフタヌーンティープラン」ですが、プラン内容は以下の通りです。

 

鉄道制服も着用できるうえ、電車グッズのノベルティと記念写真ももらえて、西武新宿ペペ共通お買い物券1,000円分も付いている、と、とーってもお得で魅力的な内容! 参加料も4歳から小学生までの子供と大人各1名のペアで5,870円と、他社ホテルプランと比較するとお手軽価格でした。しかし、参加は一日4名限定、期間も今年は8月11日~17日までの一週間限定という非常にレアなプラン。参加当日ホテルの職員の方に予約状況をお伺いしたところ、あっという間に予約が埋まった人気プランだったようです…。

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小鉄の息子、いざ西武鉄道の裏側へ!

普段JR線と京王線を見慣れている息子にとって、習い事に行く途中の乗換駅でちらりとしか見ない西武線は「いろいろな色や形の車両が走る謎の路線」という印象だったそうです。ゆえに、今回間近に「謎の路線」の裏側を覗ける!という事でウキウキと母に同行しました。集合場所で、まずは美人のホテルスタッフに笑顔で迎えられてニコニコ笑顔の息子。私が参加手続きしているあいだにもらった電車のペーパークラフトを美人のホテルスタッフさんに手伝ってもらいながら作って、更にニヤニヤ。やっぱり男は美人と電車に弱い(笑)。

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フロント横には西武線のミニ正面模型がありましたので、すかさず記念撮影を行います。今回参加は我々親子を含む、男子連れ親子の4組でした。現役の西武鉄道の駅員さんとホテルの職員さんがナビゲーターとなり、プランはスタートしました。駅員さんもホテルの職員さんも優しいので、息子はじめお子様たちはリラックスして説明を聞いていました。

◆まずはカウンター業務を体験!

そして、参加者で二組のグループに分かれました。息子の班は、まず、カウンター業務の体験。私も電車の振替輸送時やICカードが不調な時に駆け込む駅カウンターですが、カウンター内に入ると意外に視野が広く、改札を広範囲で見渡せるようことに、ちょっと驚きました。子どもたちは「いらっしゃいませー」と声出しをして、乗客の方をお迎えする体験を行いました。ちゃんとカウンターの壁には『こども一日駅長体験中』の注意書きが貼ってあるので、乗客の方も理解があり、和やかな現場に親もひと安心。

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◆切符を発券する機械の裏側へ!

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カウンター業務の次は、乗客と対面で駅員さん達が定期券や切符を発券するシステム画面を見学。子供たちがやたらにボタンを押したがるのでちょっと駅員さんもあせっているように見えました(笑)。

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さらに自動券売機の裏側へ。見ると、番号を振ってある機械がずらりと並んでいます。それにしても、機械の表と裏では見た目が全然違いますね。駅員さんが券売機裏の部位を数か所引き出して子供たちに見せてくれましたが、そのたびに「おーっ!!」「すげー!」と歓声が上がりました。こちらの機械もやはり子供達が触りたがっていましたが、大事な精密機械ですので駅員さんがやんわりとストップをかけていました(苦笑)。見慣れた自動発券機は、スムーズに乗客が切符を購入できるよう、様々な工夫がされているハイテクマシンでありました。

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◆鉄道の中枢、信号扱い所に大興奮! 

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次は信号扱所の見学です。ホームから少し離れた場所にある小部屋には電子掲示板(連動機)から各種モニター等、飛行場の管制塔の如く各列車の進入・進出の様子がわかるよう様々な機器がずらりと並んでいて、またまた子供達はヒートアップ! しかも、こちらからホーム各所に設置した防犯カメラの映像も確認できるので、息子が目ざとく「ねえねえ!トイレの前で踊っている男の子がいる!」と映像を見て叫び、駅員さん達の笑いを取っていました(汗)。連動機は、電車の進入・進出に応じて信号の色が変わるので、子供達も必死で連動機の信号色の変化を目で追っていました。ちなみに災害等のアクシデント発生時は、こちらの信号扱所にて信号の点灯等を行うそうですが、通常はすべて自動制御で点灯されているとの事でした。

◆最後は鉄道服を着てビュースポットでポーズ! 

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信号扱所の見学の後は、電車の良く見えるビュースポットに案内してもらい、憧れの鉄道制服を着せて頂きました。このビュースポットからは西武線はもちろん、JR線も含めた様々な電車の往来をまとめて見ることが出来るので子供達のテンションはMAXに! 盛んに電車に向かって敬礼したり、手を振ったりと大忙しです。

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私も久しぶりに新宿駅を利用して感じたのですが、JR線及び私鉄各線で車両を新しいものにリニューアルしている路線が多くて驚きました。西武線の車両も現在は近未来的なデザインで、黄色いごつめの旧車両を学生時代に利用した経験がある私には感慨深いものがありました。昭和は遠くなりにけり…ですね(笑)。

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この後、特急列車が新宿駅に到着したので、特急列車を間近で見るためにホームに移動しました。私も西武線の急行電車は初めて見たのですが…かっこいい! 男の子が目をキラキラさせて電車に夢中になる気持ち、わかります。特急列車の運転手さんと少しお話したあと、特急列車の前で記念写真を撮ることもできました。この後はホームから駅中の事務所へ移動して、駅員さんのお仕事の内容をさらに細かくお勉強です。

◆駅員さんの仕事はとってもハード!

最初に、壁に掲示してあるパネルから「駅員さんの一日」を学びます。が、大人の目から見ても、駅員さんの仕事は結構ハードであることがわかりました…。宿直勤務もあるお仕事なので「2日勤務したら1日休み」というサイクルで勤務しているのだそう。

次は昭和レトロの香り漂う「硬券切符の入鋏体験」。これは、子供より親が懐かしさに興奮してしまいました(汗)。息子は駅員さんの指導に従い入鋏を試みましたが「切符が硬い!」と苦戦。鋏の他にも昔の駅で使われていた業務用アイテムが室内に数点展示されていて、昔は、現在の駅のシステムからは想像もつかないほどアナログだったんだなと改めて実感。でも親がノスタルジーに浸っている横で、息子達は「すごい!こんなの初めて見たよ!!」と大はしゃぎしていました(笑)。

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入鋏体験後は、色々な西武線車両の形を写真で学び、最後に新宿駅のリアル駅長さんが登場! 子供達の質疑応答に対応してくださいました。みんなで記念の集合写真を撮って、鉄道体験は終了となりました。始終子供達にニコニコ笑顔で対応してくださった西武新宿駅の職員の皆様、ありがとうございました!!

 

鉄道体験の後は、アフタヌーンティでひと休み

鉄道体験終了後は、新宿プリンスホテル25Fのラウンジ「風雅」へ移動してアフタヌーンティーを。今回は、鉄道体験プランオリジナルデザートが付くると聞いていたので、息子も私もどんなものかワクワク。

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そして、いよいよオリジナルデザートがやってきました!電車型のケーキです!! 息子は「電車のケーキだ!美味しそう!」ととても喜んで、大事に食べていました。

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ケーキの後は三段トレイのアフタヌーンティーセットが登場です。夏らしいメニューに、親子のテンションは上がる一方(笑)。二人で先の鉄道体験を振り返っておしゃべりをしながら楽しく頂きました。さすがのホテルメイドで、どのスイーツも美味でした。終盤に差し掛かると、ホテルスタッフの方が息子に参加記念の鉄道ノベルティを届けに席まで来てくださいました。「今日頑張って駅で働いたお給料ですよ」と言って西武新宿ペペの買物券を渡してくれたのが(大した労働はしてはいませんが)子供が「働く」という意味を実感できるし、「僕は頑張ったのだ!」という達成感も得られて素敵な演出だなと思いました。ゆっくりアフタヌーンティーを楽しみ、お腹も心も満たされた私たち親子は大満足でホテルを後にしたのでした。

 

鉄道体験はこんなにいいところがいっぱい!

今回参加して、よかった点は、まず「子供が鉄道会社の色々な方が実際に働いている姿を見ることが出来た」ことです。普段何気なく利用している駅の裏側で、どれだけ多くの方達が色々な業務をこなして運営しているかを知ると同時に、憧れの鉄道の仕事が間近に感じられることはとても意義があると思いました。もうひとつは「子供ながらに、ホテルの上質なサービスを体験できる」点。ホテルスタッフさんが大人同様、子供に対しても美しい言葉遣いと丁寧な物腰で対応してくれるので、その立ち振る舞いも子供にとって学ぶものが多いと思います。今回フロントでもラウンジでも、ホテルスタッフの方達が息子の目線に合わせて腰を落としていたのがとても印象的でした。最後に「親子共に楽しい時間を共有できた」こと。今まで体験した子供向けイベントの大半は、親は子供を見守るばかりで、親が心から「楽しい」と感じられることが少なかったのですが、今回のイベントでは親も異業種の方達がお仕事を頑張る姿を見て、「私もお仕事頑張らないと!」と気持ちを新たにしました。普段、落ち着いて子供とゆっくり向き合う時間が取りにくいけれど、アフタヌーンティーのように、静かな落ち着いた空間で、美味しいものに囲まれて過ごす非日常イベントなら、親子ともに満足できて、普段の生活では話せないような事もたくさん話すことができたように思います。

 

今後も注目! 鉄道イベントいろいろ

今回は夏休み限定企画の鉄道イベントに参加しましたが、いろいろ調べてみたところ、鉄道系の夏休み向けイベントは、大体6月中には告知及び申し込み受付するところが多いようです。なので、夏休みに向ける場合は5月下旬頃から少しずつ情報収集を始めると面白いイベントを発見・参加できる確率が高いと思います。(制限人数があるイベントは希望者を抽選で決める場合もありますが…)また、春から秋の行楽シーズンには各鉄道会社で臨時列車や特別運行列車の増発を行うので、珍しい列車を見られる確率がぐっと増えます! 鉄道会社の時刻表や各鉄道会社の公式サイト等で運行ダイヤを調べて、通過駅でお目当ての列車を見学しても子供は喜びますね。あわせて、各鉄道会社は車両基地を保有していますので、この車両基地見学等のイベントを春から秋にかけて行う鉄道会社も多いです。駅ポスターや各鉄道会社さんの公式サイト等をチェックしてみましょう。鉄道系イベントは、早めの情報収集が吉です!是非皆さんも楽しいイベントを発見してみてくださいね!