性感染症のひとつである「梅毒」、近年若い世代を中心に感染が急増していることが社会問題となっています。胎盤を通じてお腹の赤ちゃんが梅毒に感染すると、死産や流産のリスクが高まり、また「先天梅毒」を発症するケースも増えています。万一に備え、正しい知識を持っておきましょう。

 

 

iStock.com/Sorajack ※画像はモデルを起用したイメージです

 

梅毒ってどんな病気?

 

梅毒は「梅毒トレポネーマ」という病原体が原因の病気で、多くは性行為によって感染するため、性感染症のひとつとされています。 感染後3週間ほどで、外陰部や肛門、口の周りなど、梅毒トレポネーマが感染した部位にしこりが見られるようになります。 このしこりは痛みや痒みなどの症状がなく、治療をしなくても消えてしまうので、発症に気づかない人が多いのです。 しかし症状が治まったからといって、梅毒が治ったわけではありません。発症後3か月ほど経つと、今度は手のひらや足の裏などに赤い皮疹(バラ疹)ができます。 そしてさらに3年ほど経つと、骨や筋肉、内臓しこり(ゴム腫)を形成し、10年ほど神経に感染し、やがて死に至ります。 現在では有効な治療法があり、梅毒で命を落とす人はほとんどいませんが、かつては「不治の病」と恐れられていました。

 

 

>>NEXT お腹の赤ちゃんに感染するとどうなる?