ふと見れば、嫌いな野菜はお皿の縁に追いやって…子どもの「好き嫌い」は、多くの親にとって悩みの種。栄養バランスも心配だし「このまま大人になったらどうしよう」と悩んでしまうことも。実は、子どもの好き嫌いには「生物学的な理由」があるんです。理由がわかれば、対処法も見えてくるかもしれませんよ。

 

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子どもはどうして好き嫌いが多い?


食べ物の好き嫌いには、2種類があります。ひとつは「物心つく前から苦手」といった〝本能的に嫌い〟なもの。もうひとつは「まずいと感じた記憶」から〝経験的に嫌いになった〟もの。 子どもの好き嫌いは、この前者〝本能的に嫌い〟であることが多いのです。 子どもの苦手なものには「苦い」「酸っぱい」「臭いがきつい」「独特の食感」といったものが多く、こうした特徴は、腐ったり傷んだりして〝食べると体に悪い状態になったもの〟に似ています。 つまり子どもの好き嫌いは〝体に有害なもの〟を、本能的に「食べてはいけないと」判断している可能性が高いのです。 経験や知識や情報から、それが安心して食べられるものだと判断できる大人と違い、子どもは五感でしか判断ができません。 それと同時に、子どもの味蕾

(舌の味を感じる場所)

は大人より敏感で、例えばピーマンの苦味も、大人が感じる以上に苦く感じるのかもしれません。 つまり、子どもの好き嫌いは「自分の体を守る精一杯の手段」ともいえるのです。そう考えると、単なるわがままとは思えなくなりませんか?