窒息時の処置について


 

iStock.com/gyro

 

注意したいのが、異物(固形物)が口の中に残っている場合。 可能な限り指でかき出しますが、このとき大きな声を出したり、いきなり指を突っ込んだりは危険です。 子どもが驚いて飲み込んでしまったり、異物が更に奥に進んでしまうこともありますので、落ち着いて慎重に行いましょう。 既に飲み込んでしまった場合、無理に吐かせることは危険ですので、まず医療機関を受診してください。



また一番緊急性が高いのが、喉に異物を詰まらせて「窒息」している状態です。 119番通報した上で、喉に詰まった異物を取るよう試みます。

1歳未満では仰向けにして胸を圧迫するか、片手で身体を支えながらうつ伏せにして、もう片方の手で背中を叩きます。 1歳以上では、子どもの背部から両腕を回してみぞおちの下で手を組み、その手を腹部上方へ圧迫するように突き上げます。 それでも異物が取れなかったり反応がない場合は、心肺蘇生に切り替えていくことになります。

 


誤飲が起こる「時間と場所」


 

冒頭の厚労省の調査によると、誤飲が多く発生する時刻は「16〜21時」、場所は「居間」と「キッチン」という結果でした。 お迎えして家に帰り、慌ただしく夕食のしたくをしている…まさにそんな「子どもから目を離しがちになるシーン」です。 発生したときの対処を知ることも大事ですが、自宅の環境を見直したり、子どもの行動に注意したりなど、誤飲を防ぐ対策も大事。 いざという時のシミレーションするとともに、家の中の安全性を再点検してみませんか?

 

iStock.com/Satoshi-K

 

(※1)「家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」家庭用品等による小児の誤飲事故のべ報告件数(10品目)2017年度

 

 

文:松本 悠里香