iStock.com/maroke

走っていて転んだり、よそ見をしていてぶつかったり…子どもの日常に怪我はつきもの。なかでも注意しなければならないのが「頭の怪我」です。 対処が遅れると命にかかわることもある「頭の怪我」。今回は「頭の怪我」が危険である理由と、その後の経過観察について詳しく解説します。

 

「頭の怪我」が危険な理由


頭の中には固い頭蓋骨に囲まれて脳が入っています。脳は考えたり、運動する機能を司るだけでなく、生命を維持するための重要な臓器です。 頭蓋骨の中は脳脊髄液(のうせきずいえき)と呼ばれる液体で満たされており、脳は脳脊髄液の中にプカプカ浮かんだ状態となっています。 脳は柔らかく非常にデリケートな臓器なので、脳脊髄液に浮かんで固い頭蓋骨に守られることで、外部からのダメージがダイレクトに届きにくい構造になっているのです。 しかしあまりにも強い力が加わると、脳そのものや、脳を取り巻く血管がダメージを受けることもあります。 脳自体にダメージが加わるのはもちろんのこと、脳の血管から出血が生じると脳が圧迫を受けて、意識がなくなったり、手足が動きにくくなるといった神経症状が見られるようになります。 そして重症な場合には脳が腫れたり脳圧が高くなったりすることで、呼吸や心臓の拍動を司る部位にダメージが加わり、死に至ることも少なくないのです。