vol.17 小学校でのプログラミング必修化
育児、仕事、家事、社会のこと、ママたちが普段気になっていることをCHANTOモニターに大調査!ママたちの「どうして?」を「なるほど!」に変える記事をお届けします。vol.17は「小学校でのプログラミング必修化」についてです。
今や日々の生活に不可欠ともいえるコンピューターやインターネットは、これからより生活と密着したものになると考えられます。そのため、現在多くの国や地域では子どもたちのITスキルを高めることを目的として、学校教育のカリキュラムの一環としてプログラミングが導入されています。その流れを受けて、日本でも2020年から小学校でプログラミング教育が導入されることとなりました。
今回はこのプログラミング必修化についてどう感じているのか、CHANTOモニターの皆さんに聞きました。
6割近くが必修化に賛成…しかし約7割が「理解していない」と回答
まず「プログラミング必修化に必要性を感じますか?」と質問しました。その結果、57%の人が「はい」と回答。
その理由には、「多角的な視点や、論理的思考が身につく」、「コンピュータに順序よく命令を伝えることは人に話す時や文章を書く時にも役立つから」と子どもの思考力によい変化が生まれるというコメントや、「インターネットやパソコンなどが必要不可欠になる時代になるので子どものころから学べるのはいい」とデジタル機器との関わり方を学べる機会になるとコメントが上がっていました。
一方で、「プログラミング教育について理解していますか?」と質問したところ、73%が「まったく理解していない」と回答しました。
多くの人が必要だと感じているものの、親自身はどういったことを行うのかわかっていないようです。なお、他の回答は「だいたい理解している」22%、「十分に理解している」5%という結果となりました。
必修化の内容を理解していない人も多いので、ここで簡単に必修化の内容について見ていきましょう。
まず小学校では、「プログラミング」という教科が新たにできるわけではなく、総合的な学習の時間や算数や理科など既にある各教科の中で行われます。
また多くの人が勘違いしているのが、専門的な技術を学ぶこと自体がねらいではないということ。もちろん、授業の中で子ども向けの簡単なプログラミング言語を使うことは想定されています。
しかし、技術を身につけるというよりもプログラミングを体験すること、コンピューターやプログラミングと日々の生活との関わりを知ること、そしてプログラミング的思考つまりコンピューターに思う通りの指示を出すための論理的な思考力を身につけることが大きな目標として設定されています。
文部科学省による「小学校プログラミング教育の手引き」にあげられている具体的な授業の内容を見てみましょう。
算数では正三角形や正六角形などの正多角形の性質を理解し、その上でどういうプログラムを組めばコンピューターでその図形を描けるかを考える事例、音楽の授業では様々なリズムのパターンをコンピューター上で組み合わせて音楽を作ってみる事例があげられています。
プログラミングを通して、問題を解決するための考え方を学んだり、違う視点で各授業への理解を深めるという捉え方だとわかりやすいかもしれません。
続いてアンケートで「不安に思うことはなんですか?」と質問したところ「親がプログラミングを理解していないので、教えられない」という回答が大半を占めました。
「わからないけれど、親自身も学んでいかなければならない」「自分が習ったことのない分野なので親のための講義も欲しい」と前向きにコメントしている人もいました。また「先生たちも理解しているのか不安」「子どもたちが理解し、ついていけるのか不安」という声もあがっていました。
プログラミングは、多くの人がこれまでに触れたことのない分野であるためどんな風に導入されるのか、親である我々に学習のフォローができるのかなど不安も多いですよね。
ただ、先にも触れた通り、小学校では専門的なことを行うわけではありません。まずは家庭で毎日の生活にコンピューターやプログラミングがどう関わっているのかや、家電などがどんなプログラムを組み合わせて動いているのかなど考えることから始めてみてはいかがでしょうか?
取材・文/阿部祐子 イラスト/児島衣里
©️CHANTO調べ 調査期間:2019年8月20日〜9月1日 調査対象:CHANTOモニター104人