さまざまな音楽を手がけて、国内はもちろん海外でも活躍するKOKIAさん。働くママとなってからは、子どもも大人も楽しめる音楽プロジェクトを立ち上げ、さらには、独自の言葉とお得意の絵で絵本も創作。多彩に表現の幅を広げながら多くの人に作品を届けつづけるKOKIAさんにお話をうかがいました。
子どもと過ごす時間を通して私も学ばせてもらっている
〝小さな家の中であなたが学べることが少なくなって
いよいよ外の世界への旅が始まる時
それはまるでワクワクする映画を観るような気分〟
わが子が成長し、ひとり立ちしていくときの思いを想像して、絵本『ママのだいじさん』の中でこのように表現した、シンガーソングライターの
KOKIAさん。今、
3歳のひとり息子・レオナルドくんの子育て真っ最中です。 「
CHANTOの読者さんと同じように、私も働くママ。息子を日中は保育園にあずけているので、その送り迎えも、もちろんしています。ときどきですがコンサートで一日中、出かけたりするときは、周囲に協力してもらってなんとかやっています。育児には大変なこともたくさんありますが、学ぶことのほうが多く、新鮮で貴重な経験にありがたみを感じる連続。子どもと過ごす時間を通して、もう一度学び直しの時間をもらっているような感じです」
寝る前の読み聞かせはオリジナルの〝創作話〟
子育てをするなかで〝こんな音楽が子どものためにあったらいいな〞という思いから、動物をモチーフにした曲を作り、
CD製作やコンサートも開く「
tontonton」という音楽プロジェクトを立ち上げる。そして、そこに登場するのが、みずからが描いた動物たちの絵。これが大評判を呼びます。 「多くの方々から〝動物の絵がすごくかわいい〞と言ってもらって。もともと絵を描くのは好きだったのですが、このプロジェクトから、育児エッセイや絵本のお話までいただくようになったんです」 夜、寝る前のいわゆる「読み聞かせ」も
KOKIAさんはひと工夫。 「私もある時期までは絵本を読んであげていたのですが、寝るときは部屋を暗くしたい。でもそうすると、絵本が読みづらい。そこで〝ママの創作話〞を聞かせてあげることにしています。〝むかーし、むかし、あるところにレオちゃんという男の子がいました。ある日、レオちゃんが歩いていると、大きな恐竜さんがどっしどっしと歩いてきました…〞というふうに息子を創作話の中に登場させると、より興味をもって聞いてくれます」
親子でテレビを見るときも学びの時間に
上海やパリなど海外でもコンサートを開催し、グローバルに活躍する
KOKIAさん。絵本『ママのだいじさん』にはみずからが翻訳した英語訳もつけられています。 「私自身はネイティブではありませんが、世界と音楽でつながるという夢をもちつづけているので、今でも語学はたくさん勉強しています。今回の英訳は私にとってチャレンジでしたが、とてもいい勉強になりました」 そして、普段レオナルドくんと一緒にテレビを見るときは、つねに英語の音声にしているのだとか。 「〝テレビは影響力がある〞といいますが、本当に知らず知らずのうちに英語が身についていきます。親も勉強できるし、一緒に学びを楽しんではいかがでしょうか」
自分自身が主人公のハッピーな人生を!
〝物語にはユニークな登場人物が欠かせないから
ひとつひとつの出会いを大切にしてほしいの
あなたが誰かの物語の名脇役にならなくちゃいけない時だってあるのよ
この世界には命の数だけ物語があることを忘れないでね〟
子どもの数だけ個性があるように、子育てのやり方も千差万別。
そして、子どもが自分の物語で主演を務めるように、ママ自身もまた自分の物語の主役であることも再認識させてくれます。 「人生は一度きり。親子になれたのはとびきりスペシャルなご縁。ママというタイトルを授かったからには、ママという顔も、ミュージシャンという顔も、楽しみながらベストをつくしたい! それは私の子どもに生まれてくれたレオナルドにもそう思っています。音楽であれ、絵や言葉であれ、子どもも親も、自分自身が主人公になってハッピーな人生を送るためのエールになるような作品を世の中につくりつづけていきたいですね」
『ママのだいじさん~My life with my precious』 作・絵=
KOKIA主婦と生活社刊 本体
1100円+税 ひとり息子・レオナルドくんへの想いを、やさしいタッチの愛らしい絵と独自の言葉使いで綴った愛情あふれるストーリー。
8月
9日発売。
PROFILE KOKIA(コキア)
1998年のデビュー以来、国内外で活躍するシンガーソングライター。さまざまなCMソングや主題歌を手がけ、″ボーダーレスな歌声″として海外からの評価も高い。2017年には子どもたちも親しめる音楽を届ける「tontontonプロジェクト」を立ち上げる。人生の大事な場面に寄り添うことを心がけている歌は、多くの人に音楽を通して「love&peace」を問いかけている。