■自己肯定感を育む、反抗期の子どもへの接し方
・無意識に逆説的に返答しているのを、共感の言葉で返答する 例えば、下記のような会話を普段から無意識にしてしまっていませんか? 子ども:「今日学校でAくんから嫌なことをされて頭にきたんだ!」
親:「でも、Aくんにも何かしらの事情があったのかもしれないよ?ちゃんと話をしてみたの?」 子どもの腹が立ったという意見を無視して、ちゃんと話をしてみたのかと否定的に捉え、諭してあげるかのように会話が成り立っています。こういう会話が普段から家庭内で続いていると、子どもは自分の気持ちは理解されないのだ、とすねた気持ちになって反発してしまいます。 これを共感の言葉で返答すると次のようになります。 子ども:「今日学校でAくんから嫌なことをされて頭にきたんだ!」
親:「そうなの!頭にくることがあったのね。Aくんに何をされたの?」 子どもの気持ちを受け止め、さらに子どもの事情を深く掘りさげた質問をしています。子どもも自分の感情を理解してもらえたと非常に安心することでしょう。 事情を聞いた上で、仮に子どもに非がある場合は、こうやって子どもの気持ちをありままに理解していることを伝えた上で、「ここはこうしてみるとより良い結果になると思うんだけど、どう思う?」といったように、あなたのことを否定していないよという言い回しで伝えてあげてください。 ・大抵のことは受け流して、肯定的な言葉がけを心がける 成長の過程として一時期、親に対して疑念や嫌悪感を覚えてしまっている時期に小言を言ってしまっては、子どもの反発を招いてしまって逆効果に。親から見て目に余るようなことも、犯罪など度を超えたりしたことで限りはそのまま受け流し、子どもが成長して自分から気づいてくれることを無条件に信じてあげましょう。 ときに子どもが手伝いをしてくれたりした際には、「ありがとう」「助かる」といった感謝の言葉を言ってあげます。そのときツンと突き放すような態度を取るお子さんもいるでしょう。しかしこういう肯定的な言葉の積み重ねが反抗期を過ぎた後の子どもの自己肯定感と、親との信頼関係構築に非常に大切になってきます。 ・最低限のあいさつは欠かさないようにする 「おはよう」「いってらっしゃい」「おかえり」といった挨拶をしても、お子さんは返事をしなかったりすることも多いかもしれません。だからといって、あいさつをなくしてしまうと、子どもは親から見放されたと無意識に感じてしまい、将来的に漠然とした見捨てられ不安を持ち続けてしまう危険性があります。どんなことがあっても、親のいるこの家があなたの帰る場所なのだという安心感を持ってもらうために、あいさつと声がけは可能な限り欠かさないようにしてください。 ・子どもの意見や行動の理由を最後までしっかりと聞く 子どもの意見や行動の理由を途中で遮ったり、これらを親にする機会をなくしてしまうと、自分の意見は誰も聞いてくれないんだ、という無意識の思い込みを抱え込んでしまう危険性があります。この思い込みがあると、社会に出たときに上司や会議で自分の意見が言えなかったり、弁明が必要な場面で自分の事情を説明できずに状況を悪化させてしまったり。社会で働くときに支障をきたしてしまいます。 仮に子どもの意見や行動理由がどれほど利己的で許容に難しい内容であっても、反対にしっかり筋の通ったものであっても、ちゃんとあなたの意見は聞くという姿勢を子どもに見せてあげてください。将来的に安心して自分の意見が言えつつ、しっかり周りの空気を読んであえて伝えないという選択もできる、思いやりのある大人に成長することでしょう。
■まとめ
子どもの反抗期は親にとって苦しいと感じることも多いでしょう。子どもが自我を形成するために必要なプロセスなのだと理解したうえで、ありのままのお子さんを愛してあげてくださいね。