今、家庭学習の方法として「秋田式学習法」が注目されているのはご存じでしょうか。 文部科学省が実施している調査で全国の小学6年生、中学3年生の学力を測る「全国学力・学習状況調査」があります。 調査の結果、10教科中5教科で1位を獲得しているのが秋田県です。 秋田県の学力は他教科も1位と僅差だったということで、秋田県の小・中学生の学力が高いことがわかっています。しかし秋田県の小・中学生は通塾率が全国で最下位です。 通塾していないにも関わらず、このような好成績を出している理由が「秋田式学習法」にあるというわけです。今回は、「秋田式学習法」についてご紹介していきます。
■なぜ秋田県が1位になれたのか
昭和30年代に実査されはじめた「全国中学校一斉学力調査」の結果、当時秋田県は最下位付近の位置づけでした。そこでこの状況を突破すべく、県の教育関係者達が教育改革を始めたと言います。 例えば近年実施した教育改革は、平成13年から始まった「少人数学習推進事業」です。県費56億円(累計)をかけています。 少人数学習とは、子供の個性を生かしながら学習できるように1学級を20人程度の小規模とし、臨時講師・非常勤講師を増員した体制のことをいいます。 近年少人数学習へ移行する学校が増えていますが、秋田県が先駆けで実施し始めた体制でした。 また、少人数学習の効果を測るために秋田県独自の「学習状況調査」を行っています。これは小学校4年生から中学校2年生までの生徒を対象にしている調査です。 国語、算数、社会、理科、英語教科の学力を測り、少人数学習の成果をより出すために、PDCAサイクルの一環として調査が行われています。 また、平成17年からは「算数・数学学力向上推進事業」が行われています。勉強嫌いの理由にもなりやすい算数、数学の学力を定着されることが目的で、義務教育課の推進チームが秋田県の各小・中・高等学校を訪問し、小学校から高校までの12年間を見通した観点から教師へ指導を行います。 このように秋田県では、行政だけでなく、各学校の教師も協力し合い、子供の学力向上を高める体制ができています。そのため、全国学力・学習状況調査で1位という結果を長年とり続けることができるのです。