宿題をするために机に向かっても、なかなか手を付けられない。少し進んではすぐにおしゃべりしたり、おやつを食べたりしてしまう。わが子のそんな様子にイライラして、「集中しなさい!」とつい大声を出してしまうことがあるのではないでしょうか。 でも、仕事や勉強に集中して取り組みたいのに、なぜか気が散ってしまう。する必要がないことに手を付けてしまう。それは大人でもあることですよね。 目の前にすべきことがあるにも関わらず、集中できないのはなぜなのか。その理由と、集中力を持続させるための工夫についてご紹介します。


■集中している間は、人間の脳にとって不自然な状態

何かひとつのことに集中している間、脳は一部だけが活発に働いています。脳の中が揺らぐことなく一点に集中し、ほかのことは全く見えていない、考えていない状態です。 しかしこのような脳の状態は、とても不自然。なぜなら、動物がひとつのことにのみ集中し、周りが見えなくなってしまうと、天敵がそばに寄ってきても気付かないなど、リスクが高過ぎるからです。つまり、動物が進化する過程では、気が散りやすい方が生き残るうえで有利に働いたというわけです。 人間も同じ。ひとつのことに集中し、ほかのことに気を取られないようにするのは、脳にとっては不自然な要求です。そのため、なかなか集中できない、集中が持続しないというのは、ある意味当然のこと。そう考えると、子どもが集中して学習に取り組めないことで、イライラする必要はなくなりますね。