人と会話をする時には、友達同士でする会話のようなフランクなしゃべりかたばかりではありません。特に社会人になると、敬語を使わなければならないシチュエーションも多くなります。 いざ敬語を使おうとしても正しい敬語かどうかの自信がなくなることもあるでしょうから、この機会に迷わずに使えるよう、正しい敬語を知っておきましょう。


■敬語には種類がある

ふだんは何気なく使っている敬語にも、細かく分ければ5つの種類があります。尊敬語・謙譲語・丁重語・丁寧語・美化語と言われるものです。 2007年に出された文化審議会答申の「敬語の指針」で、もともとは3種類の敬語だったものがより細分化されて、5種類となりました。5種類のそれぞれの敬語は、次のように分類されています。 ・尊敬語:相手側の行為などについて述べる時に、相手の立場を上にして敬った言い方をすることで、その人物を立てる。ビジネスシーンで上司や社外の人に使うことが多い敬語です。 尊敬語では、言う・話す:おっしゃる 見る:ご覧になる 行く・来る:いらっしゃる・お見えになる 聞く:お聞きになる する:なさる・される 読む:お読みになる などがよく使われます。 ・謙譲語: 自分側の行為などについて述べる時に、自分や身内の立場を低めて言うことで、相手を敬って立てていく言葉です。 謙譲語でよく使われる言葉は、見る:拝見する 言う・話す:申し上げる・申す 聞く:伺う・拝聴する 行く・来る:うかがう・参る する:いたす 読む:拝読する などがよく使われます。 ・丁重語:自分側の行為などを丁重に述べることで、聞き手に敬意を払う。 ・丁寧語:聞き手に対して丁寧に述べる言葉で、自分側のことにも相手側のことにも使えます。語尾に「です」「ます」「ございます」をつけて丁寧にした言葉です。 丁寧語でよく使われるのは、言う・話す:言います・話します 聞く:聞きます 見る:見ます 行く・来る:行きます・来ます する:します 読む:読みます などと使われます。 ・美化語:ものごとを美化して述べる言葉。 敬意を含まない場合でも使い、接頭語に「お」や「ご」をつけて使います。 この5種類で特に使い分けが難しくて迷いやすいのは、尊敬語・謙譲語・丁重語の3つだと言われています。見分けるポイントとしては、尊敬語は相手側のことを言う時に使い、謙譲語と丁重語は自分側のことを言う時に使う敬語だということです。 自分に対して尊敬語を使ってしまったり、相手に対して謙譲語を使ってしまったりするのは、尊敬語の間違った使い方になりますので注意が必要になります。