マルクス・コッコ報道・文化担当参事官

女性活躍の推進を掲げる日本。ただ、働く女性が増えても「家庭内での役割分担がうまくいかない」「結局家事や育児は妻に負担が行きがち」という声は少なくありません。 北欧の国フィンランドは男女格差が少ないことで知られ、多くの家庭が共働き。国連が発表する世界幸福度ランキングでは2018年、19年と2年連続で1位を獲得しています。家事や育児はどのようにやりくりしているのでしょうか?

 

駐日フィンランド大使館のマルクス・コッコ報道・文化担当参事官は2児のお父さん。同じく2児の父で子育てに奮闘中のCHANTO WEB編集長が、男性の家庭進出について聞きました!

未来を変えたいなら、親が子育てのモデルを示すこと


日本では男性の家庭進出が促される一方、家事育児をうまく担えない男性も多いという現状です。そのため女性の負担が重くなってしまう家庭も少なくありません。

フィンランドの家庭ではどうでしょう?性別による役割分担というのはあるのでしょうか。

 

コッコ参事官

フィンランドでも、以前は女性が育児や家事を担うという考え方でした。しかし、ここ数十年で変化し、今は家庭でも平等が貫かれているように感じます。

 

私も4歳と2歳の子どもがいますのでもちろんそうですが、周りの話を聞いていても、若い世代においては男性も育児や料理などの家事を担っています。

 

家庭でだれが何を担うのかというのは、性別で決まるのではなく、誰にでも得手不得手がありますから、それによって個々に決まるものだと思います。

 

駐日フィンランド大使館

 

数十年で変化してきたとのことですが、親の世代はどうだったのでしょうか?今のような考え方とは違いましたか?

 

コッコ参事官

そうですね。親の世代では男女による役割がまだ家庭に残っていたと思います。こういった意識は、変わるのに時間がかかります。 ただ、私の父は今80代ですが、私が幼いころから料理などの家事や育児もしていました。今となってはそうした父親が主流ですが、当時は一般的ではなかったですし、かなり現代的な考え方でしたね。

  

やはり、父親の姿というのは子どもの考え方に影響を与えますよね。

 

コッコ参事官

もちろん、子どもにとって親というのは一番のモデルになります。 未来を変えたい、家庭において平等を実現していきたいと考えるならば、それぞれが自分たちの子供たちの育て方を見直し、モデルを示すことだと思います。