子育て中のママを悩ませるものの1つが、1歳から2歳台にかけて始まる「イヤイヤ期」です。
とにかく、指示や提案は、内容を考える前に「イヤ!」、やっていることを止められると「イヤ!」、とっくに1人でできることをやろうとせずに「イヤ!」…いろいろなイヤイヤがありますが、「いったい、いつ終わるの?」と、疲れ切っているママもいることでしょう。
反対に、イヤイヤ期がなくて拍子抜けしたり、思春期に何か悪影響があるのではと心配になっている人も。
今回は、先輩ママ・パパへのアンケート結果も参考に、イヤイヤ期の時期と有無について考えてみました。
アンケートで分かる「イヤイヤ期はいつからいつまで?」
今回、2歳から小学校1年生までの育児中または育児経験のあるママ・パパに独自にアンケートを取った結果、「イヤイヤ期があった」という子は約80%と、大部分がイヤイヤ期を経験しているようです。
そのうち、イヤイヤが始まった時期でもっとも多いのは1歳後半から。その次が2歳前半からと、大半を占めています。
さらに、1歳半になる前からイヤイヤ期らしき様子があった…という子も20%ほどいます。
「魔の2歳児」ともいわれるように、一般的にイヤイヤ期としては2歳を思い浮かべますが、実際はそれよりも少し早くからイヤイヤ期が訪れている模様。
そして、「いつごろイヤイヤ期が終わりましたか?」という質問に対しては、なんと「4歳以降」という答えがもっとも多く、3人に1人は4歳を過ぎてもイヤイヤ期が続いていたという結果になりました。
とはいえ、3歳前半と後半を合わせれば、3歳台でイヤイヤ期が終わった子も半分近くいます。
さらに、2歳のうちにイヤイヤがおさまったという子も10%はいたので、必ずしも4歳、5歳になっても反抗期がえんえんと続く…というわけではなさそう。
なお、2017年に博報堂が実施した別のインターネット調査でも、ピーク時と見られる2歳前半では、約80%の保護者が「イヤイヤがある」と回答しており、やはり4人に1人は5歳後半でもイヤイヤが続いていたということです。
先輩ママ・パパに聞く、「わが家のイヤイヤ期体験談」
実際にお子さんのイヤイヤ期を経験したママ・パパに、実際のイヤイヤがどんな風だったか教えてもらいました。
誰もがあるある!定番型イヤイヤ
「公園や児童館から帰りたくない、ベビーカーに乗りたくない」 「お風呂に入りたくない/まだ出たくない」 と、ほとんどのママやパパがあるある!と言いたくなるイヤイヤから、 「スーパーで、お菓子を買って欲しくて、地べたに転がって駄々をこねるという王道のイヤイヤをされたことも…(笑)」 という体験も。
「とりあえず言われたことには反対」型イヤイヤ
こちらは、内容がイヤというよりも、イヤイヤすること自体が目的のようなパターン。
「答える気分じゃない時に質問をすると怒ってしまいます」 「ご飯、お出かけ、抱っこのタイミングなど、自分がやりたいように出来ない時とイヤイヤ泣いていました」
など、同じことをするにも、タイミングによってどんな反応が来るか予測できないのでママやパパは大変ですね。
「何かしようという問いかけにはとにかくすべて反対・イヤイヤ。また、ごはんを並べればパンがいい、スカートが出してあればズボンがいい、ママがだっこするといったらパパがいい…一事が万事その調子でした」(Rさん・31歳・当時2歳の女の子のママ)
このタイプは、わざと親がしてほしいことと反対の提案をすれば成功しそうに思えますが、実際にごはんのかわりにパンを渡すとそれにも「イヤ!」と言ったり…そううまくはいかないものですね。
「こだわり」型イヤイヤ
「一時期、お気に入りの電車の絵がついた服しか着ようとせず、1日着て洗濯かごに入れた服を引っ張り出してきて2日連続で着ることがよくありました。無理やり他の服を着せても脱いでしまうので、危険がおよぶわけでもないしと連続着用させてましたが(笑)、保育園で、この親はお風呂に入れず洗濯もしていないのでは?と疑われるのではないかとドキドキでした」(Iさん・36歳・当時2歳後半の男の子のママ)
「女の子だからか、洋服のこだわりがすごくて、自分が選んだ洋服じゃないと着てくれませんでした。真夏にセーターを着ていたことも(笑)」(Hさん・33歳・3歳後半の女の子のパパ)
「特定のシーンで発動」型イヤイヤ
「特に、食事の時にイヤイヤを言うことが多かったです。”食べたくない!→じゃあ食べなくていいよ→いや!食べたい!→じゃあどうぞ→イヤー!!わーん!!”と、泣いて暴れる無限ループ対応を毎日やっていました」(Yさん・35歳・当時1歳後半の男の子のママ)
「寝起きは全て話しかけること全てにイヤイヤです。いつも30分くらいで落ち着きますが…」(Eさん・29歳・2歳前半の男の子のママ)
「長女はなぜか椅子に座るのを異常に嫌がりました。座らせてもすぐにのけぞって立ち上がってしまうので、外ではベルトを持ち歩いて締めるように…結局、幼稚園に入る前まで続きました」(Kさん・33歳・当時1歳後半の女の子のパパ)
「イヤイヤに合わせてあげていた」人も
この時期の子どもがなぜこんなにイヤイヤするのか、その理由はいくつかあると考えられています。
- モノや人など、好きなことややりたいことへのこだわりが生まれてくる
- 自分で物事を決めたい欲求が芽生えるが、それが許されることなのかどうかまだ判断ができない
- どれだけ「イヤ」と言ってもママやパパは自分を愛してくれるのか確かめたい
- 1人でできることが増えるが、反動でまだ甘えたいという気持ちが出る
これに対して、親としては、怒らずに、しかしダメなものはダメと一貫して言わなければなりません。
しかし、裏を返せば、聞き入れてあげられることは多少時間を割いてでも聞いてあげると、子どもは受け入れてもらえてうれしく感じますし、「許されることとそうでないことがあるんだな」と理解していくでしょう。
今回お話を聞いたママやパパも、次のような場面で子どもの要求を通してあげていたそうです。
「車で幼稚園の送迎をしていましたが、イヤイヤ期の時は、あっちの道に行って!こっちはイヤ!と主張、無視すると大暴れするので、毎日回り道しながら幼稚園に行ってました」(Nさん・38歳・当時3歳後半の女の子のママ)
「保育園からの帰り道は、帰ろうと言ってもイヤイヤで聞かないので、毎日1時間のお散歩が日課でした!近所の住宅展示場やら、家と逆方向の公園やら…帰りが遅くなると翌日に差し支えるので、当時は本当に悩みました。でも、気付けばいつの間にかイヤイヤがなくなって、お散歩も終了。そうなってみるとなんだか淋しいですね」(Fさん・34歳・当時2歳前半の男の子のママ)
「イヤイヤ期がない子」には問題あり?二つのパターンに注意
ところで、なかには「うちは特にイヤイヤ期がなかった」という人もいるようです。
冒頭のアンケート結果を見ても、5人に1人くらいの割合で、「イヤイヤ期はとくになかった」という子がいることが分かります。
イヤイヤ期でノイローゼ寸前!という人からは、そんなうらやましい話が…と思ってしまいますが、時々耳にする「子どもの頃に反抗期がないと、思春期に子どもが荒れて苦労する」という話に、「うちの子、大丈夫かな?」と心配しているママ・パパもいるようです。
しかし、よく問題だと言われるのは、小さい頃は圧倒的に大人の方が体が大きく権力があるため、子どものイヤイヤを認めずすべて抑えつけていたというケース。
この場合、子どもは、自分の意見を通してもらったり話し合って納得したり…という経験がないまま成長してしまうため、思春期になり力が強くなると、自分の思いを通すには暴力を使う以外の方法が分からないという恐れがあります。
対して、無理矢理抑えつけていたわけではないのに、「イヤイヤ期はあまりなかった」と感じる親子に共通するのは次のようなパターンです。
- たまたま、ママやパパの提案が子どものタイミングと合っていることが多かった
- 子どもは一応イヤイヤは言っていたものの、程度が軽くあまり苦にならなかった
- ママやパパが楽天的で、正面から向き合うより、笑わせて気をそらすなどのテクニックが上手だった
- 3世代同居や大家族で、誰かが相手をしたり気をそらしたりできていて、1人に負担が集中していなかった
上記に加え、子どもにも親にも生まれつきの気質がありますので、その組み合わせによってはさほど激しく反抗しないまま成長し、思春期も比較的のんびりと過ぎていった…という子も実際にいるようです。
まとめ
筆者の場合、いま19歳の長女は、小さい頃から中学生くらいまでほとんど反抗期では…?というほど、大人の都合に合わせて動いてくれず大変でしたが、中学2年生のある時期から突然、大人同士のような会話を楽しめるユニークな子に成長しました。
いま中学2年生の次女は、2歳台のイヤイヤ期はかなり激しく、希望が通らないと1時間でもイヤイヤと泣き叫び続けるほどでしたが、それが過ぎると非常に話の分かる子になり、日々、助けられたり癒されたりしています。
今回の体験談も参考に、皆さんが無事「イヤイヤ期」を乗り切れるよう応援しています。
文/高谷みえこ