「ワンオペ育児」と感じるラインは配偶者の帰宅時間?


「自身または配偶者が勤務する会社の働く環境」については、「良い方向に変わってない」という回答が60.5%。勤務環境が十分ではなく、改善を求める声が多いことが確認できます。

 

具体的な理由を聞くと、産休や育休を取得する際には「上司の目が気になる」(40.1%)、「同僚の目が気になる」(33.4%)などの回答が多くなりました。社内風土的に産休・育休が取りづらい環境はまだまだ多く、「環境が良くない」と感じる要因になっているようです。さらに「時短勤務やテレワークといった多様な働き方を自由に選びたい」(80.2%)、「勤務先の制度と風土が整っていれば子連れ出勤したい」(48.7%)といった、各家庭の子育て状況にあわせた勤務制度を望む声も上がっていました。

 

「自身はワンオペ育児だと思いますか?」という質問には、37.7%の人が「ワンオペだと思う」と回答。その中で「虐待は絶対にダメだが、子育てのストレスで子どもに手を上げてしまう人の気持ちも理解できる」と回答した人は81.4%となり、「ワンオペ育児だと思わない」(74.1%)と答えた人を上回る結果になっています。「ワンオペ育児だと思う」人は、配偶者の帰宅時間が「20時以降」(61.9%)という場合が多数。これは「思わない」人の32.1%の倍近い結果であるため、配偶者の帰宅時間はワンオペ育児に関係しているのかもしれません。

 

次に、不妊で悩んでいる・悩んだことがある1021名へ「妊娠ができないことで悩まれたのは何人目ですか?」と質問。その結果、35.6%の人が「2人目」と回答しています。2人目の不妊に悩んだ経験のある人に不妊治療専門クリニックについて聞くと、「子連れで通える病院が少ない」(35.8%)、「子連れで行ける時間が制限されている」(32.8%)、「子連れで通院した際の周囲の目が気になる」(28.4%)が上位になりました。「不便を感じたことはない」という人は30.6%に留まり、多くの人が不妊治療専門クリニックの通院に不便を感じているようです。

 

■調査概要


調査対象:既婚者2961名の条件


対象:既婚女性20~39歳、既婚男性20~49歳(男性は妻が39歳以下)


割付条件(1):全国各都道府県均一回収(各県63名)


割付条件(2):既婚子なし/既婚子1人/既婚子2人以上 それぞれを均一回収


⇒47(都道府県)×3(子ども条件)=141セルのそれぞれを21名ずつ、計2961名回収


回収後、(1)各都道府県の人口比、(2)一世帯の子ども人数の構成比を平成27年総務省統計データより算出し、ウェイトバックをかけた。本情報で用いているのはウェイトバック後のスコア。

 

自身、配偶者が不妊治療を検討・経験したことがある方1021名の条件


年齢:既婚女性20~39歳、既婚男性20~49歳(男性は妻が39歳以下)


割付条件:第1子の出産に向けて不妊を検討/治療中/中断、第1子の出産に向けて不妊を経験後出産/中断後出産、第2子以上の出産に向けて不妊を検討/治療中/中断、第2子以上の出産に向けて不妊を経験後出産/中断後出産


⇒以上10セル、計1021名回収

 

調査方法:インターネット

 

文/原田美咲