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よくニュースで「NYダウ平均が上昇したことを受けて日経平均株価も好調に推移し…」とかいう文言を聞いたことはありませんか? NYとはもちろん、アメリカの最大都市にして国際都市・ニューヨークのこと。ここで出てきた数値は日本の株価にも大きな影響を与えます。 なんとなく聞いたこの「ダウ」という数値、実際にはどういったもので、日本の景気をはじめ世界経済にどういった影響を及ぼしているのでしょうか? まずは、ダウの定義について解説し、それがどのようにして世界経済に与えるのか説明していきます。

■ダウ平均株価とはどういった数値?

ニューヨーク・ロンドン・東京は三大証券取引所といわれることがあり、世界経済に関する大きな指標を提示する取引所として有名です。 またウオールストリート(ニューヨーク)やシティ(ロンドン)は金融センターの中でも代表格として挙げられ、国際経済に大きな影響を与えます。 そのニューヨークの証券取引所の指標として毎日公表されるのがダウ平均株価です。正式には「ダウ・ジョーンズ工業株30種平均」と呼び、アメリカの著名な経済紙「ウオールストリートジャーナル」の発行元である、ダウ・ジョーンズ社が考案した(現在ではS&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が数値を発表している)株価指数となります。 その他にも輸送株平均や公共株平均といった指標があるのですが、ダウといえばもっぱら工業株平均のことを指します。 日本でいう日経平均株価のニューヨーク版と大まかに考えてよいでしょう。ちなみに日経平均はその名の通り、日本経済新聞社が算出した株価指数で、構成銘柄は225個あります。 それに対してダウ平均株価の構成銘柄はわずか30社。少ないように見えますが、アップルやインテル、マイクロソフトといったコンピューター関連、コカ・コーラやマクドナルドといった飲食関係など、日本でもおなじみの銘柄がずらりと並びます。 世界に名だたる企業の株価を平均するわけですから、やはり世界の経済にインパクトを与える指標としても納得がいくことでしょう。 ただし注意してほしいのは、この指標は単純平均のため、株価の大きな企業の影響を受けやすいという点が挙げられます。 この記事を執筆した時点で株価が一番高かったのが、航空機でおなじみのボーイング。これが約368ドルなのに対し、一番株価が低いのが医薬品で有名なファイザー。約43ドルです。 9倍の株価の差があるのに単純平均ですので、ボーイングをはじめとした株価の高い銘柄に左右されやすい、という特徴があるということを頭の片隅に入れておきましょう。