■津田梅子の結婚観は、現代女性にも通じる!?

津田梅子は、生涯独身で結婚することはありませんでした。津田梅子のもとには何度も縁談が持ち込まれたそうですが、それに応えることはなかったと言われています。 現代よりも男尊女卑の風潮が強い時代において、妻になり母になるということは、夫を献身的に支える立場に留まることを指していたのでしょう。それよりも、自分の能力を伸ばし、そして後進の育成のために力を発揮したい!と考えたのが、津田梅子という女性だったのです。 現代においても、決して結婚という制度に対して反対ではなくても、自身のキャリアの中断が気になり、最後の一歩が踏み出せない……なんて方は多いのではないでしょうか。津田梅子の時代よりも、結婚しないことへのハードルは低くなってきてはいますが、現実には、まだまだ難しい点も多いものです。 津田梅子の生き方が、現代女性にとって、より幅広い選択肢を現実的に受け止めるための力になってくれるのかもしれませんね。

 

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■津田梅子の教育理念と名言とは?

津田塾大学の原型となる女子英学塾の教育理念は、「男性と協力して対等に力を発揮できる、自立した女性の育成」でした。津田梅子が生きた時代から、かなりの時間が過ぎたとはいえ、まだまだこれは、日本社会全体で捉えるべき教育理念とも言えそうです。 また津田梅子が残した名言には、以下のようなものがあります。 「この学校に限らず、他のどの学校においても、学校だけで皆さんの行く手にあるものに対処できる力を完全につけてあげることはできません。」 「一人一人の人生の航路には独りで立ち向かわなければならない、それぞれの困難と問題があります。」 「皆さんのひとりひとりが『光を見る目、永遠の真理を知る洞察力、憐れみともっとも優しい慈悲に満ちた心、闇を照らす信仰』をもちますように。」 「環境より学ぶ意志があればいい。」 女性に限らず、「学ぶ」ということがどういったことを指しているのか、教えてくれるのが津田梅子の名言です。どんな時代、どんな状況にあっても、学ぶ・学ばないを選び取るのは自分自身です。そして、大切なことを学んだ上で、自分自身の足で困難や問題に立ち向かっていく覚悟と勇気が必要なのですね。


■まとめ

今回は、2024年から予定されているお札の刷新で注目を集める、津田梅子についてまとめました。現代よりも女性にとって困難が多かったであろう時代において、自分らしい道を見つけ、輝いた女性の姿に、感銘を受ける方も多いのではないでしょうか。これから先、子どもたちが本当の意味で「学ぶ力」「生きる力」を身につけていくために、津田梅子の教えが道しるべになってくれるのかもしれません。 「津田梅子ってどんな人なの?」と子どもから聞かれたときには、その偉大な功績や学ぶ意味について教える、絶好の機会だと言えるでしょう。今回紹介した基礎知識も踏まえて、「津田梅子ってこんな人なんだよ」と教えてあげてくださいね。