「まあ今日はいいかな」「疲れているからなあ」と、何かを習慣づけようとしても続かないことはあります。それは趣味だって同じ。50代後半からボディメイクに目覚め、日々のトレーニングを継続し、コンテストでグランプリに輝く成績を残す日向治美さん。いったい彼女がトレーニングを続けられる理由はどこにあるのでしょうか。

離婚に介護…乱れる生活を救ったものは

日向治美
57歳。多忙な仕事から暴飲暴食し、血圧160、体重70キロ超え。ボディメイクを決断した

── 現在68歳。ボディメイクを始めて12年目に入り、健康的な美しさと身体を競う大会として有名な「ベストボディ・ジャパン」のコンテストには8年連続で出場されています。中高年になると体力も気力も衰えていくものなのに、すごいです。

 

日向さん:「ベストボディ・ジャパン」の大会には70歳まで出続けたいと思っています。そのために、週2回のジムでのトレーニングが欠かせません。もちろん、休みたいときもありますけど、いざ筋トレをやって汗を流すと100%元気になるんですよ。

 

── 日向さんにとって情熱を持って打ち込める趣味が、筋トレでありボディメイク。生活の一部になっている感じです。

 

日向さん:そうですね。30代で独り身となり、その途端に父親の介護を余儀なくされました。父親を看取った後、新しい仕事に就き、多忙な日々から生活が乱れるなかで出会ったのがボディメイクの世界でした。57歳のときです。次第にのめり込んでいき、60歳を過ぎたら今度は母親の体調に不安を感じるようになって。そして65歳で定年を迎え仕事は終了。昨年10月、介護していた母親も老人ホームに入居しました。

 

私にとってボディメイクは仕事や介護のストレス、定年後の寂しさを緩和してくれるものなんです。だからやる意味は大きい。打ち込むことで心が晴れたり、心のスキマを埋められたりする気がします。筋トレはメンタルの強化に効くと言われますからね。

継続のコツは自作メモ「ハードルは低いけれど」

── とはいえ、やり続けるのは大変なはず。何かモチベーションになっていることがあるのでしょうか。

 

日向さん:ボディコンテストの大会だと思います。コンテストは定期的に開催されるため、出場する大会を決めたら、ゴールの日に向けて筋トレや食事管理を実行していきます。昔から計画を立てるのが好きなタイプなんですよ。

 

いつもやっているのは、クリアすべき項目を挙げ、チェックしていくこと。毎日〇×の記録をつけて、成果を「見える化」しています。設定項目は「朝食は抜かない」「夕食は主食なしで20時までに食べ終える」「水分を1.5リットル以上とる」など、10個ほどです。ハードルはかなり低いです(笑)。

 

── 食べ物へのこだわりはいかがですか?

 

日向さん:以前は糖質制限をしていたんですけど、今はお肉や魚、野菜をバランスよく食べることを意識しています。主食は玄米。食物繊維をとるよう心がけ、野菜は何種類も食べるように。夕食だけ玄米なしで炭水化物を避け、食事の量も軽くし、夜8時までにはすませて体重増加を防いでいます。ただ最近は、たまにアイスや菓子パンを食べて、あとで罪悪感を覚えることも(笑)。

「高齢の母」「独身」も残りの人生は上機嫌で

日向治美
週1回のジムトレーニング、週1のパーソナルトレーニングを日課とする

── 健康のバロメーターはお通じだそうですね。

 

日向さん:もともと便秘体質だったんですけど、食物繊維をとり、夜8時以降は食べ物を口にしないようにしてからは改善されてきました。お通じのある・なしも前述したチェック項目のひとつにしています。

 

── 肌がとてもきれいで、見た目も68歳とは思えません。何かお手入れをされているのでしょうか。

 

日向さん:大会に出場したときも、参加者や見にくるお客さんから肌のことをよくほめられます。日頃は「きれい」なんて言ってもらえることがないので嬉しい限りです。でも、肌のケアに特別気を配っているわけではありません。意識しているといえば、外出する際に紫外線を浴びないようにしているのと、大会前のルーティンとして全身のあかすりに行くことくらい。そう説明しても、ほとんど信じてもらえなくて。

 

── 還暦・定年を過ぎてもなお、目標に対してアクティブに取り組む日向さんですが、これからの目標を教えてください。

 

日向さん:ささやかなことですけど、残りの人生をできるだけ上機嫌で過ごせたらいいなあと思っています。歳をとると、ついネガティブに考えてしまうもの。老人ホームにいる母親の今後や、おひとり様の私自身の暮らしなど、不安に思う気持ちが膨らむことも。その処方箋となって、パワーを与えてくれるのがボディメイクなのかもしれません。また、次の大会に向けて頑張りたいと思います!

 

取材・文:百瀬康司 写真:日向治美