難病のある2人の子を育てる小林昌代さん。かつては、障害のある子どもを見て「かわいそう」と感じることがあったそうです。しかし、自身の子育ての中で、その考えは大きく変わりました。「幸せかどうかは周りが決めることではない」。そう話す小林さんが考える「親が子どものためにできること」を伺いました。
障害のある子を「かわいそう」と思っていた
── 生後半年で「コルネリア・デランゲ症候群」と診断された長女の明愛(めい)さんと、生まれてすぐに「18番部分トリソミー」と診断された次女の蒼依(あおい)さん。ふたりとも知的障害と運動機能障害など、さまざまな症状があり、現在も生活全般に介助が必要な状況です。小林さんはお子さんを育てる前、障害のある子どもに対してどのようなイメージを持っていましたか?
小林さん:正直にいうと、障害のある子どもを見かけたときに「かわいそうだな」と思うことがありました。
当時の私は看護師として働いていたので、障害のある子と接する機会もありました。それでもどこか自分とは違う世界の人という感覚があったんだと思います。障害があると「できないことがたくさんあるんだろう」「きっと大変なんだろう」と、できないことばかりに目が向いて、知らず知らずに「かわいそう」と決めつけていたんです。

── ご自身が障害のある子どもの親になって、その見方がどのように変わりましたか?
小林さん:実際に娘たちを育ててみると、たしかにできないことや、諦めなければならないことはあります。でも、それだけではないんですよね。少しずつできることが増えていきましたし、娘たちなりの成長があることも知りました。
それに、一緒に暮らしていると「できる、できない」だけでは見えてこない、娘たちそれぞれの気持ちや個性もわかってきました。明愛も蒼依も、今も言葉を話すことはできませんが、性格は全然違います。
明愛は、自分の世界をすごく大切にしている子。人と関わることも好きですし、音楽や楽器も好きです。陽気で自由に動き回るところもあって、私からすると「ファンキーな自由人」という感じ(笑)。いっぽうの蒼依は「ザ・末っ子」という感じのかまってちゃんです。人懐こく、そばに来てほしいと声を出して呼んだり、体を使ってアピールしてきたりします。
こんなふうに、言葉で伝えられなくても、それぞれに好きなことや嫌いなことがあり、楽しい、嬉しいという気持ちもある。だから今は「障害があるからかわいそう」とひとくくりにするのではなく「この子はこの子。世界にたったひとりの存在なんだ」と思うようになりました。