「8年の不妊治療、採卵9回、移植11回、流産2回。結局授かれなかったけど、いまとても幸せです」。モデルの彦坂まなみさんは、2026年9月、SNSで不妊治療をやめたことを公表されました。6回目の治療では、順調に妊娠したと喜んでいたものの、妊娠13週目に赤ちゃんに重い病気が見つかり、とてもつらい決断をすることになります──。

「どうしてうちは授かれないんだろう」

── 彦坂さんは、30歳の頃から8年間、不妊治療をされたそうですね。始めたきっかけはありますか?

 

彦坂さん:私たちは2020年に結婚しました。ただ、2018年にはもう結婚を決めていて、当時からいつ妊娠してもいい状態で、すぐ自然に子どもを授かれるものだと思っていました。でも、1年経っても授からなくて…。

 

夫(元プロサッカー選手・小林裕紀さん)は当時まだ現役で、試合の日にスタジアムに足を運ぶと、家族専用の応援席にお子さんを連れたご夫婦がたくさんいるのを目にしていました。「子どもがお父さんを応援するのって素敵だな」って、その光景を見てはじめは思っていたんです。それが次第に、まだ子どものいない自分と比べて焦るようになってしまって。

 

「どうしてうちは授かれないんだろう」。身近で結婚した人たちから出産報告を受けるたびに不安が募っていき、不妊治療クリニックに通い始めました。ただ、周りに不妊治療をしているという人が全然いなくて、私自身、きちんとした知識もなかったんですよね。とまどいながらクリニックに行ったのを覚えています。

 

── 不妊治療を始めるにあたって旦那さんとはどんなお話をされましたか?

 

彦坂さん:やはり、夫も自然に授かれるものだと思っていたようです。不妊治療に反対されたことはないのですが、最初の頃は「病院に行かないといけないことなの?」と疑問を抱いていました。クリニックの受診日を調整するときも、自分の仕事のスケジュールを優先するところがあって。でも、途中からは私の気持ちを理解して協力的になってくれたし、2人でよく話し合うようになりました。

不妊治療のため、モデルの仕事も休むことに

彦坂まなみ
元サッカー選手の夫・小林裕紀さんとSUPを楽しむ彦坂さん

── 不妊治療で特に大変だったと思うことはありますか?

 

彦坂さん:自分の体調と日程のタイミングを合わせることが、精神的に一番しんどかったと思います。不妊外来では「じゃあ、次は生理が始まった何日目にきてください」と言われるんですけど、生理って1日、2日ずれることがあって、予定通りというわけにはいかないんです。

 

私はモデルとして活動していましたが、「生理3日目までに病院に行かなきゃ。でも仕事が入っている」と悩まされることが多くて。医師から「今日はまだ着床を確認するには早いタイミングだから、明日も来てください」と言われると、焦りながら必死にスケジュール調整をしていました。

 

── 不妊治療中はモデルのお仕事を休まれることを決めたそうですね。

 

彦坂さん:はい。モデルの自分が仕事を急に休んでしまうと、撮影の現場が成り立たなくなってしまいます。治療を優先させるためにモデルの仕事を完全にお休みしました。その代わり、時間に融通のきくシフト制のアルバイトを少しずつ始めました。