採卵9回、移植(胚移植)11回、流産2回。8年に及ぶ不妊治療をやめたことを公表し、話題を呼んだモデルの彦坂まなみさん(37)。医師からは「37歳は不妊治療の平均年齢」と言われたものの、11回目の移植の結果を受けたとき、頭の中で糸がプツンッと切れる感覚を覚えたそうです。
不妊治療「やめるのは今かも」と思った瞬間

── 彦坂さんは、今年9月、不妊治療をやめたとSNSで公表されました。「やめよう」と決意したのには、何かきっかけがあったのでしょうか。
彦坂さん:保険適用内で体外受精できるのは6回までなんですけど、6回目で着床して妊娠したものの、妊娠13週目で赤ちゃんに重い病気があることがわかって。担当医から90%無事に生まれることは難しいと言われ、お別れすることを決めました。
当時は15週目を超えていたので、戸籍には載らないらしいんですけど、医学的には出産となるそうで。保険適用の不妊治療も、7回目からは2人目の子どもの適用になると言われ、計12回まで保険適用内になったんです。
そんな経緯もあり、これで最後と決めていた6回目の子がお空に旅立った後も、頑張って続けようと心に決めました。ただ、11回目の移植の段階で、そろそろ最後の採卵になるかもしれないという自覚がありました。それなら、一番いい状態で臨もうと思い、それまでつけていなかった先進医療のオプションも、通常の顕微授精より高倍率の顕微鏡を使って治療ができるIMSI(イムジー)、それにPICSI、ZyMotと、1万円、3万円、4万円って全部つけたうえでチャレンジしました。でも、結局1個も着床しなかったんです。
「年齢が上がるにつれて卵子の数は減っていくのだから、今が一番いい状態のはず。それなのにここまでやっても授かれないということは、もう厳しいんじゃないか…」、そんな思いが頭をよぎりました。そのとき、すごく自然に、頭の中で糸がプツンッと切れるような音がしたんです。「やめるのは今なのかもしれない」と悟りました。
不妊治療に取り組んだ8年間はあまりにもつらく、1か月ほど治療をお休みすることは何度もありました。そのたびに「やっぱり子どもがほしいから頑張る」って自分に言い聞かせてきたんです。でも今回は、1か月経っても「やっぱり治療しよう」って思えなかった。担当医にも、すごく自然に「もうやめます」と伝えました。今年の8月中旬頃のことです。
── 不妊治療をやめることを医師に伝えたんですね。なぜ「治療しよう」と思えなかったのか、当時のお気持ちは覚えていますか?
彦坂さん:なぜかって聞かれると、自分でもわからないんです。担当医からは「37歳は不妊治療の平均年齢にあたります」とは言われたし、病院の待合室でも、たくさんの人がいて、「私ひとりじゃない」って救われたりもしました。でも、やっぱりやめどきは自分で決めるべきかなとは思っていて、それが今だったんだと思います。もう未練はないというか、「やりきった」という思いが強いかもしれません。
── 彦坂さんが治療をやめると決めたとき、旦那さんとはどんなお話をされましたか?
彦坂さん:私が自分の気持ちを話すと、夫は「いいよ」って言ってくれました。2人とも11回目にかけていた思いがあったので、ダメだとわかったとき、「もう、やめようか」って意見が自然と一致しました。夫も同じ思いだったのかもしれないですね。