「ネット上で『3番目の妻はマイク眞木の大ファンで知り合った』と書かれていますけど、真相はまったく違います」。20年連れ添う夫・マイク眞木さんとの出会いを振り返ってくれた妻の眞木加奈子さん。40代で再婚に至ったきっかけは、意外にも1本の五寸釘でした。
「あなた、何者?」甘いムードとはほど遠い出会い

──「バラが咲いた」で知られる歌手・俳優のマイク眞木さんと20年以上連れ添う妻・眞木加奈子さん。マイクさんは3度目、加奈子さんは2度目の結婚でした。おふたりの出会いは、あるアクシデントがきっかけだったそうですね。
眞木さん:じつは、勤め先で起きたダブルブッキングが発端でした。当時、私は撮影会社でデザイナーをしていて、ハウススタジオの設計などを手がけていました。社長自身がカメラマンで、その日はマイクさんの撮影を担当するはずだったのですが、別の予定と重なって現場に行けなくなってしまったんです。「私の代わりにマイクさんに謝ってきて!」と電話がかかってきて、会ったこともないのに楽屋へ謝罪に行ったのが、最初の出会いでした。
楽屋に伺うと、彼が千葉の別荘で作っているツリーハウスの話をしていたんです。「息子たちは誰も手伝ってくれないし、もう大変なんだよ」と。私は美大で彫刻を専攻していて、体を使った作業やものづくりが大好き。当時、日本で個人がツリーハウスを作ること自体が珍しかったので、「それ、やってみたい!」とアンテナが瞬時に反応したんです。
── ビビビときた相手は、マイクさん本人ではなく「ツリーハウス」だったんですね(笑)。
眞木さん:そうでしたね。「それならいくらでも手伝いますよ」と言ったら、「女の子にできるような作業じゃないから」と。だから私も「そこらへんの男性よりは役に立つと思いますけど」と返したんです。それがちょっと生意気で鼻についたんでしょうね。彼は半信半疑の表情でした。
後日、写真集の撮影で千葉の別荘に伺い、ツリーハウス作りを手伝うことになりました。大型のチェーンソーなど、彫刻をやっていた私にはたまらない道具がずらり。目を輝かせていたら、彼が「道具、わかるの?」と試すように言うんです。そして五寸釘を渡され、はしごを上った先の一番打ちにくい場所を指して「あそこに打ってくれる?」と。バカにされているなとカチンときて。釘を口にくわえ、トンカチを背中に差してはしごを上り、ガン、ガン、ガンと3回で打ち込んだんです。そしたら彼が「あなた、何者なんだ?」って(笑)。
── 五寸釘をわずか3回で…。なんともワイルドですね。
眞木さん:そこから彼も「この人は役に立つ」と思ったみたいです。私は私でツリーハウス作りに携われるとワクワクして。要するに、お互いの利害が一致したわけです(笑)。よくネット上で「3番目の妻はマイク眞木の大ファンで知り合った」と書かれていますけど、真相はまったく違いますよ。
── 甘いムードとはほど遠いスタートです。そこからどうやって距離が縮まっていったのでしょう。
眞木さん:その後もツリーハウスを手伝ううちに、少しずついろんな話をするようになりました。ふたりとも離婚経験があって、私には当時小学生の息子がひとり、彼にも3人の息子がいました。まだ恋愛という段階でもなかった頃、「あなたにも子どもがいて、僕にも子どもがいるし、もういいんじゃない?」と言うんです。後から思えば「つき合ってみてもいいんじゃない?」という意味だったみたいです。
結婚後に気づかされたマイペースさにモヤモヤ
── なかなか読解の難しい口説き文句ですね(笑)。
眞木さん:彼はああ見えて、女性に対して硬派というか、かなり口下手で甘い言葉をささやくようなタイプではないんです。思いをちゃんと言葉にしないのは彼の悪いクセですね。その頃から「お子さんも連れてくるといいよ」と言ってくれて、親子で遊びに行くようになりました。彼の息子たちにサーフィンを教えてもらったり、友人も交えてバーベキューをしたり。家族ぐるみで行き来するうちに、自然とつき合うようになりました。
── おふたりには17歳の年齢差があります。そこは気になりませんでしたか。
眞木さん:趣味や生活感覚が合って、最初からすごく居心地がよかったんです。私も昔から洋画や洋楽が好きで、彼が乗っていたようなアメリカの四駆やバンも好きでした。車の運転にも性格って出ますよね。彼は合流する車にも自然に道を譲るし、のんびり走って全然イライラしない。その穏やかで、どっしり構えた感じにも惹かれました。
そうして2年ほど交際して結婚を決めたのですが、母には猛反対されました。「2回も離婚しているなら絶対に結婚に向いていない。あなたが苦労するし、家庭に力を注ぐタイプじゃない」と。当時は聞き流していたんですけど、娘の花(はんな)が生まれてから、母の言っていた意味を痛感することになります。
── お母さまの見立てが的中していた、と。実際に暮らし始めて、どんなギャップがあったのですか。
眞木さん:基本的にはすごく優しい人なんですけど、自分のペースを崩さないんです。寝るのは深夜1時ごろで、起きるのは午前11時くらい。私は家族で一緒に食卓を囲む家で育ったので、「たまには朝食を一緒に食べたいな」と言っても「僕のぶんは自分でやるから大丈夫」と。本人は気をつかっているんでしょうけど、私としては「そういうことじゃないんだけどな」とモヤモヤしてしまう。
娘が生まれてもおむつを替えてくれるわけでもなく、生活のペースも合わせようとしない。一度、不満が爆発したこともあるんですが、主人は「どうしたの?なんで怒ってるの?」という感じで。私は本音をぶつけ合いたいタイプなのに、本人にはまったく悪気がないからケンカにもならない。「ずるいな」と思うこともありました。