「私にとって苦痛なことは、学校に通うことでした」。TBSの紀行バラエティ番組『クレイジージャーニー』で注目を集めたフォトグラファー・ヨシダナギさんには、実は学校に行く意義を見出せず、不登校、中卒という道を選んだ過去があります。それでも自分の選択に「まったく後悔はない」とはっきりと口にします。
転校先でいじめに「根も葉もない噂がたって」

── アフリカをはじめ、世界中の少数民族を撮影しているフォトグラファーのヨシダさん。29歳のとき、テレビ番組『クレイジージャーニー』に出演すると一気に知名度が上がり、活躍の場が広がりました。しかし、現在の華やかな活躍の裏で、過去には不登校を経験したとのこと。まず、子どもの頃はどんな子どもだったと思いますか。
ヨシダさん:基本的に物静かで、「みんなと外で遊びなさい」と母に言われても、群がることに意味を感じられない子どもでした。ひとりで裏山に行って木に登ったり、野良猫と遊んだりと、ひとり遊びが好きでしたね。自分が思っていることを口に出して伝えるのが苦手な反面、絵や文章を書くのは好きでした。学童に通っていたんですけど、学校の宿題で詩を書く機会があって、それを書いて学童の先生に見せたら、「ナギはペンを持たせたら意外と会話ができるんじゃないか」と気づいてくださって。私のことをわかってくれる人がいると知って、気持ちが楽になったことを覚えています。
── しかし、小学4年生の時に家庭の事情で東京から千葉の小学校に転校すると、同級生からいじめに遭ったそうですね。何かきっかけがあったのでしょうか。
ヨシダさん:そもそも転入生というだけで目立ってしまっていたんですけど、クラスの女の子たちから嫌われてしまいました。私の悪口を学年中に言いふらされ、体操着の袋にセミの死骸が入れられたり、夕方になると毎日電話がかかってきて、「クラスの子がナギちゃんのことウザイって言ってるよ」となぜか報告してくる子がいたり。
── ご家族に相談はされましたか?
ヨシダさん:母に伝えたら、学校に電話をしてくれました。そのうえで私に母は、「あなたは何もしていないし悪くない。でも、学校に行かなかったら相手の思うツボ。中学に行ったらいじめも落ち着くから」と言いました。
── 実際、中学に入学して状況は変わりましたか?
ヨシダさん:まったく。私をいじめていた子たちもみんな同じ中学に進学したので、さらに陰湿ないじめに変わっただけでした。
私がいじめに遭っていることは小学校から進学先の中学校に事前に報告されていたみたいなんです。入学初日の放課後、先生から「お前、何かあったら俺は味方だから言えよ」と言ってもらえました。
でも、翌日学校に行くと、思春期特有の根も葉もない噂が広まり、その後もどんどんエスカレートしていきました。他のクラスや学年の子にまで、「あの子、ちょっとおかしいらしいよ」と言われるようになって。しまいには私があらぬ交際をしているといった噂が出て、担任の先生と校長先生から呼ばれたことがありました。