「結婚=地獄」願望なんてまったくなかったけど

── 離れて暮らしていて、ふと寂しくなることはありませんか。
清水さん:実は私、生まれてから一度も「寂しい」と思ったことがないんです。家庭環境が複雑だったので、親に対して「どうしてこんな悲しいことを言うんだろう」と感じることが積み重なって、感情を抑圧する癖がついたせいなのかもしれません。15歳で親元を離れたときもホームシックにはならず、むしろひとりになれることのほうが嬉しかったくらいです。
過去にお付き合いしていた人からは「もっと頼ってほしい」「もっと相談してほしい」と言われることがありました。でも、何でも自分で解決してきたので、人に相談するという発想自体がなくて。「相談してほしい」と言われて初めて「人は相談するものなんだ」と知ったくらいです。
今も、旦那さんに悩みを相談することはほとんどありません。何か辛いことがあったとしても「そういう選択をした自分が悪い」と、自分のなかで解決する。人に感情をぶつけることが、あまり好きではないんです。
── 何でもひとりで抱え、男性への警戒心も強かった清水さんが、ご主人を信頼できたのは、どんな瞬間だったのでしょう。
清水さん:胸が成長し始めた小学校のころから男子に変な目で見られたり、学生時代や上京後に酷いハラスメントやストーカーに遭ったりしてきました。だから、出会った当初は彼のことも警戒していて、名字も仕事も明かさず「脱毛サロンで働いている」と嘘をついていたんです(笑)。
あるとき、彼から「駅から家まで送るよ」と言われたのですが、まだ出会って間もないし家も知られたくなくて、一緒に少し歩いて警察署の前で「ここで大丈夫」と別れました。普通なら「なんでそんな失礼なことをするんだ」と不審に思いますよね。でも、彼は笑いながら「わかった」と手を振って帰っていって、後から「賢明な判断だね」と連絡がきました。私の警戒心を否定せず、その判断を尊重してくれた。この人なら信頼できると思った大きなきっかけでした。
── 無理に踏み込まず、距離感を尊重してくれるお相手だったのですね。幼少期の家庭環境から、かつて「結婚=地獄」というイメージがあったという清水さん。結婚に踏み切るのにためらいはなかったですか。
清水さん:幼い頃から両親の激しいケンカと、母への攻撃をはじめとする祖母の暴走を毎日見て育ったので、私の中で「結婚=地獄」というイメージがこびりついていました。もともと結婚願望なんて微塵もなくて、周りにも「結婚なんかせえへん、一生ひとりで生きる」と宣言していたくらいです。
でも、あるとき壇蜜さんが「ひとりで生きられないから結婚するのではなく、自分ひとりで生きられる自信がついたから誰かと一緒にいられるようになった」と語っていらっしゃるのを目にして、すごく素敵な考え方だなと思ったんです。この結婚観なら、私も結婚に踏みきれるかもしれないと思えました。
そして、私のことを無理に変えようとせず、踏み込みすぎずに静かに見守ってくれる彼に出会えたこと。それが大きかったですね。
── おふたりが会うのは「週に一度」。この日はどんな風に過ごすのですか。
清水さん:旦那さんと過ごす日は、私にとって「森林浴」をしに行くような感覚なんです。普段は体型維持のためによく食事制限をしているのですが、その日は料理人の彼が作ってくれた料理を、それこそ相手が引くくらい食べます(笑)。その日だけは「食べる幸せを味わう日」と決めているんです。
会う前日に不自然にドキドキするような関係ではなくて、お互いに自然体でいられるというか。何も考えずにただ美味しいものを食べる。そこに彼がただいる。それが幸せなんですかね、きっと。