治療の中で感じた子どもの成長する力
── テーピングや髪の毛を剃ることを大きな抵抗なく受け入れてくれるのは、助かりますね。治療により、耳の形はどのように変化したのでしょうか。
サヤ山さん:赤ちゃんの体はまだ柔らかく、テーピングで耳を正しい位置に導いてあげることで少しずつ形が整っていきました。治療を続けていくうちに埋没していた部分がしっかり出てきて、改善していく様子が目に見えてわかりました。赤ちゃんの体には、大人が想像する以上に成長する力があるのだなと感じましたね。
生後8か月ごろに治療自体は終了しましたが、その後も約1年間は経過観察のために通院を続けました。最初は3か月後、次はそれから4か月後というように少しずつ間隔を空けながら受診し、テーピングをしなくても耳の形が維持されているかを先生に確認していただきました。1歳8か月のときに最後の診察が終わり、大きな手術をすることなくテーピングで治療を終えられてとてもほっとしました。
──「埋没耳」は認知度が低く、見落とされがちだそうです。
サヤ山さん:私自身、三女が診断されるまで「埋没耳」というものを知りませんでした。もし生後4か月のときに小児科の先生が気づいて指摘してくださらなければ、治療を受けることなく、そのまま成長していたかもしれません。
程度にもよりますが、埋没したままだと将来的にメガネやマスクが耳にかけにくくなり、特注のものが必要になることもあるそうです。埋没耳は、早い時期であればテーピングで耳を固定する治療で改善することも多いと聞きました。もしお子さんの耳の形で気になることがあれば、早めに医療機関へ相談してみることをおすすめしたいです。
取材・文:阿部祐子 漫画:サヤ山サヤ