畑違いではない。道はきっと繋がっている

── このお仕事について、ご両親は何か言われていますか。

 

尾身さん:仕事については親とは特に話していませんが、小さい頃から「人に迷惑をかけるな」とだけはずっと言われていて。そこだけは気をつけたいなと思っています。

 

── 迷惑どころか、人に寄り添うお仕事なので、ご両親も喜ばれているのでは。このお仕事をされてから、ご両親との関係は変化しましたか。

 

尾身さん:これまでは年に1回、実家に帰ればいいかなと思っていたのですが、引退し「死」にかかわる仕事を始めたこともあり、これまでの感謝をさらに伝えるようになりました。誕生日や母の日、父の日など、家族で集まってご飯を一緒に食べる機会も増えましたね。

 

特殊清掃の現場は突然死のケースも少なくないので、自分はもちろん、家族にも健康に気をつけてもらうようにしています。何かあってからじゃ遅いですからね。

 

── 改めて、ご自身のセカンドキャリアについてどう思いますか?

 

尾身さん:サッカー選手から特殊清掃というまったく別の仕事につきましたが、結果としていい方向にいったと思います。仕事のやりがいはもちろん、収入が上がったことで精神的にも安堵しましたし、新しい目標もできました。

 

現役時代からいろいろなアルバイトをしながら、引退後についてイメージでき、セカンドキャリアに繋がるような人間関係が築けていたことも大きかった思います。そのとき、そのときを懸命に生きていれば、どこかで道がつながっている、今はそう思います。強い意志、強い覚悟をもってなんでもやってみる、やり続けることが大事だとサッカーを通じて学びました。

 

取材・文:岡﨑優子 写真:尾身俊哉