「推しでもお笑いでも」笑顔になることを見つけて

── その後、活動は評判を呼び、神奈川県の他地域にも広がりを見せています。また、麻倉さんと富田さんはNPO「あいおぷらす」という団体も立ち上げ、乳がんをはじめとするあらゆるがんの死亡者を減らすため、がんに関する情報提供や当事者への相談活動もなさっていますね。

 

麻倉さん:歌の力も使いながら、明るく、わかりやすい活動を心がけてきたことが評価されたのかもしれません。いろいろな方や企業、行政からのサポートを受けながら、できることをコツコツと積み重ねてきました。

 

麻倉未稀
明るい笑顔でがんに関する情報を発信し続けている

── 今、自分や家族、友人などががんになり、とまどいや苦しみのなかにいる人にはどんな声をかけたいですか。

 

麻倉さん:がんに罹患してしまったら、担当医の先生に治療についてわからないことや不安なことを質問なさることが大切です。そして、何よりも大事なのは、標準治療を第一に考えることです。「標準」という名前がついていますが、いろいろな治療法があるなかで、科学的に効果と安全性が実証された、現時点で最良の選択肢とされています。自然療法なども気になるところですが、あくまでも標準治療を受けたうえで、取り入れてはどうでしょうか。

 

手術やその後の治療は、不安もありますし、つらいこともあるでしょうが、少しでも笑顔が出るような気持ちに持っていけたらいいかなと思います。難しいとは思いますが…。やり方は人それぞれでかまいません。お笑い番組や推しの姿を見るのもいいでしょう。私のおすすめは歌うことです。がん患者さん向けのワークショップで声を出すプログラムをやってみたことがあるのですが、みなさん、声を出したあとはすごく明るい表情になりますよ。

 

取材・文:鷺島鈴香 写真:麻倉未稀