「授業中にキャーと叫びたい衝動に駆られ、自分では止められないんです」。自分の意思とは無関係に体が動いたり、声が出るチック症。へちさんは幼い頃から自身の症状に悩まされ、一時期は他人に理解を求めることすら諦めてしまったそうです。
「ブヒブヒッ」と鼻を鳴らすのが始まりだった

── 自分の意思とは無関係に体の一部が動いたり、声が出たりするチック症。運動チック(瞬きや首振りなど体の動き)とひとつ以上の音声チック(鼻を鳴らす、オウム返しほか)が1年以上持続する場合は「トゥレット症候群」と呼ばれ、鬱や強迫性障害などの合併症が出やすいと言われています。へちさんは子どもの頃からトゥレット症候群を患っているそうですが、いつ頃から、どんな症状が出ていたのですか?
へちさん:「ブヒブヒッ」と豚みたいに鼻を鳴らすことがやめられなくなったのが最初でした。症状が出たのは4、5歳頃だったと思います。周りの子に「おい、豚!」と言われても何も言い返せず、シクシク泣いていたのを覚えています。
── 意図的にやっている行動ではないのに…それはつらいですね。
へちさん:小学1年生の頃に左右に首を振るチック症特有の「首振り」の症状が出ました。風邪をひいた時に、頭痛の確認で「今日は頭が痛い」「痛くない」って首を振っていたら癖がついてやめられなくなってしまって。親に「首を振るのがやめられない」と言ったら、「うん、チックだからね」と返されたんです。
親は医療関係の仕事で、私がチック症だということは当時、既にわかっていたようです。チックは何か起因するものがあって症状が出る時と、何もなくても出る時があるんですけど、首振りに関しては風邪を引いた時だったと思います。
2年生に入ると今度は音声チックがひどくなりました。授業中、教室全体に響き渡る声で「キャー!」って叫びたい衝動に突然、駆られるんです。ひと言の時もあれば、何度も連続で叫ぶ時もあって。自分では、止められないんです。
両親がチックの説明を学校にしてくれて、先生からクラスのみんなに伝えてくれたので、幸いいじめられることはなかったんですけど。みんな驚いたと思います。